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○鈴芽side
「ってえっーー!?教師!?」
これまた偶然なのか草太さんと同じ教師だった。
2年前、逃してしまった二次試験。
なんと幸運なことに初日だったため1週間後の二次試験に移すことが出来、無事に教師となったのだった。
無論、芹澤さんも受かったらしい。
同じ場所で働くことは叶わなかったようだが2人とも良い先生になっているだろう。
『おん。中学校のなー。』
『意外やろか笑。』と笑いながらお茶漬けに手をまた伸ばす赤間さん。
咄嗟に「いやいや、し、知り合いに学校の先生やってる人がいて……その、驚いただけです。」
と話ながら浮かぶのはやっぱり草太さん。
『なんななんや、好きな人かい?』
なんてエスパーしてくるものだから
「ち、違いますよぉ。」
なんて濁す。
(いや、ほんとに違うから!)
なんて自分にまで突っ込むがますます浮かんでくる草太さんの顔。
すると『ご馳走様でした。』と声が聞こえ「はっ、はいっ!」と反射的に出る。
「じゃ、じゃあ、私お皿洗いますね。」
なんて慌てて部屋を出て廊下のキッチンへと行く。
頭を冷やすかのように出てきてしまったが断じて違う。
(私は草太さんのことが……)
「す……き……?いやいやいや、さすがに……」
(さすがにそれは……だって年齢だって結構違うしってか私は大学生で草太さんは社会人。
私なんかまだお子ちゃまだし……ってかそもそも草太さんにもし彼女がいたら……
いや、いるよねきっと。うん、だってだって……)
「かっこいいし……」
なんて声が漏れていたのか、はたまた心を読まれていたのか、赤間さんが『誰がやぁー?』なんて隣に現れる。
「ええっ!?なんでここに……」
『あはは、私が食べたのになんもせんのはあれやからさ。
皿洗いくらいさせてやー。』
『ってか水道が通っとるんやなぁ。
あ、これが はいてく っちゅーやつか?』
心做しかハイテクという文字がひらがなかのように思えた。
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作者名:名無し68506号 | 作成日時:2022年12月27日 21時