WESTERS (ページ16)

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ともは俺の家の近くの高校に通うことになったんやけど、
入学してしばらくすると、朝起き上がれない日が多くなった

おかしいと思って病院に連れていくと、
"起立性調節障害"と診断された

原因は環境の変化もあるけど、
先生が言うには、前々から兆候はあったはずってこと

俺はともが受験勉強をしてるその場にいた事はほぼないから、
詳しいことはあんまわからへんねんけど、

勉強とか両親からのプレッシャーによって溜まったものが、
解放された途端に全部出てきてしまったんだと思う

緑「あっくんっ、、？」

橙「…あ、ごめん」

過去のことをぼーっと思い出してると、
ともに名前を呼ばれた

緑「おきるっ、、」

橙「無理せんくてええよ？まだ目開けるのもしんどいやろ？」

緑「っ、ﾌﾙﾌﾙ、、」

首を振ってるけど、まだ目は開けられてへんし、
顔は真っ白を超えて真っ青

緑「んっ、いやっ、おきるのっ、、」

橙「わかったわかった、ほら、おいで」

焦ったような声でわがままを言うから俺が折れる

おいでと言うと腕を伸ばしてくるから、
背中まで手を伸ばして抱きつくようにしてゆくっり起こす

緑「っ、はぁっ、っ、」

橙「とも、深呼吸な」

そのまま深呼吸を数回繰り返せば、落ち着いてきて、
うるうるな瞳と目が合う

緑「っ、ひっ、っ、」

橙「んー？どうしたん、しんどい？」

やっと開いた智洋の目から涙が溢れるから、ちょっと焦る

緑「ぼくがっ、よわいからっ、、
……ごめんなさいっ、、っ、」

あー、また謝らせてしまった…

橙「とも、よく聞いてな？

兄ちゃんは、ともと望を守りたいねん。
自分の命よりも大切な弟達や。

とも毎日頑張ってるやん、な？

ええの、ともが少しでも楽しく過ごせればそれでええんよ。」

緑「っ、ひっ、、ずっといっしょっ、？」

橙「大丈夫、俺はとものこと見捨てたりせんから。
……ともは一人やない。」

緑「んっ、っ、はぁっ、っ、」

橙「ちょっとしんどくなっちゃったな？」

少し体力を使ったら、また目眩で顔を歪めるので、
ゆっくり寝かせる

しばらくすれば、安心したように俺の手を握って眠る智洋

まだ時間はかかるかもしれへんけど、
一歩一歩少しずつ進んで行こうな

大丈夫、"一人じゃない"から

"一人じゃない"fin

『あなたへ』を聴いて思いついたので衝動的に書いてしまいました…