WESTERS (ページ14)

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side:橙

桃「おはよ～、今日もとも兄ダメっぽい」

橙「おはよう望、了解。」

朝8時、

朝って言っても平日の朝にしちゃ遅いよな笑

目を擦りながら起きてきたのは末っ子の望

もうすぐ高校受験だっていうのにサッカーに夢中で勉強してるところなんか見たこともない笑

本鈴までに椅子に座ってればいいとか言って家を出ていくのもギリギリ

望の朝食を用意した後俺が向かうのはもう一人の弟の部屋

橙「ともー、入るでー」

緑「っ、あっ、くん、？」

橙「あ、無理して起きたらあかんよ」

真っ白な顔をしてベッドに横たわっているのは、
高校2年生の智洋

起立性調節障害を患っていて、
1発で起き上がれる時の方が珍しい

緑「がっこうっ、、行かなっ、、はぁっ、」

橙「今日はお休みしよ、電話はしとくから、な？」

緑「っ、いやっ、はぁっ、」

橙「ほらほら、」

"学校行く"って焦って起き上がろうとするけど、
目眩が酷いみたいでベッドに逆戻り

だいぶしんどそうやけど、さっきより大人しくなったから、
部屋を出てとりあえず智洋の学校に電話

学校側は智洋のことをよくわかってくれているし、
行けたら行く、無理だったら休む、そんな感じ

橙「とも、電話しといたよ」

緑「っ、んっ、んぇっ、、っ」

橙「おっとっと、ごめんな、急に話しかけて
……ん、ええよ、気持ち悪いん全部出し？」

俺が話しかけたから目を開けようとしたんやろうな

どうせシーツは洗うし、その場で全部吐かせる

緑「はぁっ、っ、、ごめっ、、」

橙「大丈夫大丈夫、まだグルグルするか？」

緑「んっ、はぁっ、きもちわるっ、、っ、」

橙「よしよし、しんどいなぁ」

気持ち悪いって呟いたと思ったら、立て続けに嘔吐

今日は相当やな………

橙「よし、行けるか？目瞑っててええからな。
……よいしょっ、」

吐き気が落ち着いたら、抱き上げてリビングのソファーへ移動

橙「とも、洗面器ここ置いてあるからな？」

ともの脱力してる手を少し持ち上げて教えてあげる

緑「ｺｸｯ」

頷いたのを確認して、ベッドの掃除に向かう

ついでに自分の職場にも電話

途中からでも学校に行けそうだったりする日は仕事に行ってしまうんやけど、今日はさすがにあかん

うちの職場はリモートなども進んでて割と融通が聞くからありがたい

電話を切って、やるべき事をこなしてから、
智洋のもとに戻る

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