コンビニの常連客が推しだった件について[ま/ふ/ま/ふ]

18. ページ18

・

｢ごめん、何を勘違いしてるのかわかんないんだけど…僕は別にこの人の事好きじゃないからね？｣

｢え、そうやったん？！…てっきり好きなのかと思ってたわぁ、心配して損した。｣

何故だかはわからないけど、相当心配だったようで今は凄く安心しているみたい。

｢てかさ、逆に聞きたいんだけど、坂田ってこの人のこと好きなの？｣

｢いや、それはぁ…言う必要なんかないやろ。｣

｢えー…いいじゃん別に、でもはぐらかしてるってことはやっぱり好きってことだよね。｣

｢違うって！俺がAのことなんか、好きなわけないやん！…あ、ごめん。｣

｢あはは、大丈夫だよ…｣

(私なんか、か。)

｢あの、本気では無いんやで？！えっと…あの時はああ言うしかなかったっていうか…その…｣

｢私は大丈夫だって、ね？｣

｢…なら、なんで泣いてるん。｣

自分でもよくわからない、気付けば自分の目から流れていて、そんなにショックだったのかな、坂田くんが私のこと好きじゃないっていうのは元から知っていたし、私だって恋愛感情は抱いていない、なのに、何故だろう。

でも、胸が凄く痛い。あの時の坂田くんもこんな感じだったのかな。

｢あ…いや、あの、僕も…なんか、ごめん。｣

天月さんもいきなりの事に戸惑っている。


｢え…なんで、泣いてるんですか？｣

｢まふ、くん…？｣

咄嗟に声のする方を見てみると、さっきまで居なかったはずのまふくんが居た、酔いすぎて気持ち悪くなったらしく外の空気をすいに来たらしい。

｢なんで、泣いてるかって聞いてるんですよ。｣

言いたくない、まさか最初から分かってたことなのに、好きじゃないなんて言われて悲しくて泣いてたとか、馬鹿みたいで、恥ずかし過ぎるから。

｢全部、俺が悪かったんよ…｣

｢え、さかたんが？｣

(なんで、こうなっちゃうのかなぁ)

19.→←17.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す