7人兄弟の歯科物語4

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じゅんた :
「痛いのも歯医者が嫌な気持ちもすごくわかるよ。
でも、虫歯できちゃったなら歯医者に行って治してもらわないとね」

りゅうせい :
「…わかってるし」

じゅんた :
「うん。りゅうせいが吐いちゃうほど悩んでたの気付けなくてごめんな。
それほど嫌なのもよくわかるよ。
でもずっと逃げてても何も変わらないね」

りゅうせい :
「だからわかってる！」

じゅんた :
「そーやってすぐ怒らない。
…いつ行こっか？」

もう少し心を休ませてあげるべきかなと思ったけど、あきとが予約を入れたり、話をしたりして頑張ってくれたから今度は長男の俺が言う番。


下を向いて黙り込むのでもう一度話しかけようとしたとき、りゅうせいは「…ぅっ」と、走ってトイレに駆け込んでしまった。

まだ早かったか…反省。


♪コンコン

じゅんた :
「りゅうせーい？ごめん大丈夫？」

♪ガチャ

りゅうせい :
「吐いてはない、、、。
大丈夫だった」

じゅんた :
「そっか。ごめんな。
部屋で休む？」

りゅうせい :
「…平気」


♪ガチャ

たかひろ、あきと :
「ただいまー」

じゅんた :
このタイミングで2人が帰ってきた。

2人を見て、りゅうせいは部屋に行くか迷ったような素振りを見せたけど、リビングのソファに座ることにしたみたい。

のぞむは何も言わないけど、りゅうせいの隣にべったりくっついて座った。


たかひろが風呂で、あきとがリビングを離れたとき、りゅうせいに声を掛けられた。

りゅうせい :
「じゅんた君…。
ほんとはこーやってじゅんた君に頼りたくない。
だけど、俺…」

じゅんた :
「そうだよな。頼りたくないけど、今頑張って話してくれてるのわかってるよ」

りゅうせい :
「ん…
あとで…
2人と話したい…から…
一緒に…」

じゅんた :
「えらいじゃん。
一緒に話そうな？」

りゅうせい :
「ん」

ちゃんと言葉に出来なかったのに、じゅんた君には伝わった。

.


じゅんた :
リビングでゆっくりしていた、たかひろとあきとが部屋に戻ろうとしたのを見て、りゅうせいに服を引っ張られた。

「ん？今でいいの？」

りゅうせい :
(頷く)

じゅんた :
「2人ともちょっと話いい？」

たかひろ、あきと :
「話？いいけど」

あ、そーいうこと。
りゅうせいの顔を見てきっと話はこれかなと察した。

正面だと話しにくいだろうから横並びでたかひろ、じゅんた、りゅうせい、あきとの順でソファにぎゅうぎゅう詰めで座る。
のぞむは気を使って部屋に行ってくれた。

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