7人兄弟の歯科物語3

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あきと :
「そーなの？
すぐ治るなら…早く治したい」

母 :
「歯医者さん予約しておくね」

あきと :
「ん。
俺も遊んでくる！」

母 :
あきとは少し笑顔になって、和室に走っていった。

.

あきと :
夜に母さんから「明後日 歯医者さんに行こうね」って言われた。
でも、母さんは仕事が入ってしまったらしく、俺たちは父さんと行くことになった。

ほんとは行きたくない。
父さんは兄組に厳しいから母さんに来てほしい。
だけど大好きな母さんを困らせたくなくてその思いを心にしまった。


〜明後日

父 :
今日は午前の仕事だったので夕方あきとと、ともひろを連れて歯医者に来た。


ともひろ :
「おとう抱っこ…」

歯医者さんのドアを開けてすぐ、嫌な匂いや音が怖くておとうに抱っこしてもらった。

父 :
「あーきと？」

あきと
「ん？^ ^」

父 :
怖い気持ちを誤魔化すように作り笑いをするあきと。
待合室のソファで太ももをさすってあげると、少し緊張が解けた様子だった。


歯科助手 :
「あきとくん、ともひろくーん」

あきと :
はぁ…。呼ばれてしまった。
中ではどんなことされるんだろ…。

.

歯科医 :
「こんにちは。
2人とも歯医者さん初めてだよね。
どっちからやろうか」

ともひろ :
「…とも怖い...」

あきと :
…だよね。

「…俺からやります」

歯科医 :
「さすがお兄ちゃん。
頑張ろうね」

あきと :
「おねがいします…」

歯科医 :
「じゃあ診せてね
椅子動くね」

あきと :
すごく怖いけど、そんなの言えなくて。
気付けば眩しいライトで照らされて、歯医者のお兄さんに覗き込まれた。

口を開けると「まだ虫歯小さいから痛くないよ」って言われたけど「今から治しちゃおうね」って言われて、すぐに歯医者のお姉さんとお兄さんが俺の口に音がするやつを入れてきた。


歯科医 :
「痛くないからね。
カバさんのお口しててね」

"キュイーーーン

.

あきと :
すごく嫌だったけど、しばらくして音が止まって俺の初めての虫歯治療はあっさり終わった。

痛くなくてよかった…。
いつもは厳しい父さんが頭をぽんぽんとしてくれて、それが嬉しかった。


.

歯科医 :
「次、ともひろ君も座ろうか」

ともひろ :
「うん」

怖かったけど、あきと君がかっこよかったからともも頑張って座った。


父 :
あきとは虫歯が小さかったから痛みもなくすぐに終わったんだけど、ともひろの虫歯は少し進んでいるらしい。

麻酔をするみたいで、アシスタントの女性が準備に行った。

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