7人兄弟の歯科物語3

・(りゅうせい) ページ15

〜りゅうせい

あきと :
なんとかりゅうせいを診察室まで連れてきてユニットに座らせた。

「エプロンつけるよ。
どっか気になるところある？」

りゅうせい :
「ねえ。
…虫歯あったら今日治療するの？」

あきと :
「今日治しちゃってもいいけど、BBQの予定だったからね…。
まぁ診てから相談かな？
気になるのどこ？」

りゅうせい :
「…いや、そうじゃないけど」

あきと :
「あ、なんだ。
てっきり虫歯あるのかと思った。
まぁ、やろ。開けて」


りゅうせい :
「…」

あきと :
「りゅうせい？」

りゅうせい :
「…ごめん」

あきと :
「なに、どーしたの」

りゅうせい :
「…たぶん右の上穴あいてる」

あきと :
「右上？
怒らないからとりあえず診せて？」

りゅうせい :
「…恥ずかしいから顔にタオルかけて」

あきと :
「はいはい。笑
ほら開けて」

りゅうせい :
「ぁ」

あきと :
ちっさ。笑
だいぶ控えめに開けられた口の中にミラーを滑り込ませる。

「あーここね。
これ痛かったんじゃない？」

りゅうせい :
「ごめん…。
最近ちょっと痛かった」

あきと :
「別に怒ってないし、謝らなくていいけど。
そんなに俺たちに見られるの嫌なの？」

りゅうせい :
「なんか恥ずかしいんだもん」

あきと :
「そっかぁ…。
まぁ、一言いってくれれば紹介もできるから教えて？」

りゅうせい :
「うん」

あきと :
「で、どーしよっか。
今日クリーニングはしたいなって思ってるんだけど、どうする？
痛いなら虫歯の治療してもいいんだけど、後日でもいいしどっちでもいいよ？」

りゅうせい :
「痛いのは大丈夫だから今日じゃなくていい」

あきと :
「わかった。そしたら今日はクリーニングだけさせて」

りゅうせい :
「ん」

あきと :
「痛くないと思うけど、何かあったら左手あげてな。
我慢しなくていいから」

りゅうせい :
「ん」

そして水が出るやつで歯の間をカリカリされる。
今のところ痛くはないけど、あきと君にじっくり見られてる感がすごく嫌。
早く終わってくれ...そう願っていたとき、あきと君に声を掛けられた。

あきと :
「ごめん、しみるかも」

りゅうせい :
「んぅ！」

虫歯の近くも水がでるやつでカリカリされてすごくしみる。
早くやめてほしくて、椅子を叩いてアピールしてみたけど「ごめんなー。頑張って綺麗にしような」って言われただけでやめてはくれなかった。
早く終われ早く終われ、もうそれだけを考えて耐えた。

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