7人兄弟の歯科物語

・ ページ42

＜その頃、たかひろチームは…＞

りゅうせい :
「ねぇ、恥ずかしいからタオルちょうだい」

たかひろ :
「はい。(タオルかける)
ほら、あーんして」

りゅうせい :
「ぁ…」

たかひろ :
「それじゃ何も見えないんですけどぉ…」
頬をツンツンとするとフフっと笑いながら大きく開けてくれたりゅうせい。

「ん、どれどれ〜？
お！りゅうせい綺麗じゃん。
虫歯ないし問題なし！
椅子起こすよ」

りゅうせい :
「…だから何もないって言ったのにぃ」

たかひろ :
「はいはい。
もう終わったんだからブツブツ言わない！笑
あきとたちもみんな終わったかな。見に行こ」

.

たかひろ :
「あきとー。
こっち終わったよー」

あきと :
「あ、たかひろ君とりゅうせい。
こっちまだ2人目。
のぞむ頼んでいい？」

たかひろ :
「あれ、だいき治療？
いいよ。のぞむ行こう！」

のぞむ :
「俺やらないって！」
そう言ったのに、りゅうせい君とじゅんた君に両脇掴まれて、隣のユニットに連れていかれる。
(…りゅうせい君さっきまで味方だったのに！怒)

たかひろ :
「さー、のぞむもちゃっちゃか終わらせちゃお」

のぞむ :
「やだぁ…」

たかひろ :
「何がそんなに嫌なのさ」

のぞむ :
「痛いのがやだ」

たかひろ :
「どこか痛いところあるの？」

のぞむ :
(…無言で頷く)

たかひろ :
「ん、そっか。
それは気付いてあげられなくてごめん。
ずっと不安なままなのも嫌でしょ？
まだ何もしないから診せて？」

のぞむ :
「こわい…」

じゅんた :
「のぞむー？
まだ何もしないってよ？」

りゅうせい :
「診せたらすぐ終わるよ？
あ、俺たちここいない方がいい？
恥ずかしい？」

のぞむ :
「やだっ！ひとりにしないで！」

じゅんた :
「大丈夫。俺たちここにいるからね^ ^
恥ずかしいからやだやだしてるのはりゅうせいだけだよな。笑」

りゅうせい :
「ちょっとじゅんた君！笑
ねぇたかひろ君、のぞむに痛いことしないよね？」

たかひろ :
(…やめてくれその質問(^_^;)
「まずは診るだけな。椅子倒すよ」

"ウィーン

りゅうせい :
「ほら、のぞむ大丈夫だよ痛いことしないって！」

たかひろ :
(…俺そんなこと言ってないだろりゅうせい)
ウルウルの目で俺を見つめるのぞむ。
「大丈夫だよ。お口あーん？」

のぞむ :
「あー」

たかひろ :
キョロキョロと目を泳がせながらも一生懸命口を開けるのぞむ。
「診ていくな〜」
(んー？虫歯らしきものは見当たらない)
「…痛いのどこ？」

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す