7人兄弟の歯科物語

-じゅんた- ページ2

じゅんた :
我が家の1日は、ともひろがみんなを起こすところから始まる。
割とみんな寝起きはいい方だけど、りゅうせいと、のぞむはなかなか手強い。

7人共有のスケジュールを見ると、りゅうせいは午後から出勤、のぞむは3限から授業だったので、起こすのを諦めて他の兄弟でともひろが作ってくれた朝ごはんを食べる。

〜7:30
たかひろ :
俺の運転する車で、じゅんた君とだいきを駅でおろし、あきとと勤務先のレインボー歯科に向かう。

ともひろの仕事は夕方からなので、いつもこの時間に家事をやってくれて、男7人で住んでいる俺たちは本当に助かっている。

.

じゅんた :
なんか最近、下の奥歯が痛む気がするんだよね。
今まで痛むほどの虫歯はできたことないから、この痛みが何の痛みなのかわからない。そして、鏡の前で口を開けてみても虫歯らしきものは見当たらない。疲れてるだけなのかな。

そんな生活が何日か続いたある日の夜。

眠れないほどではないが、やっぱり歯が痛むのであきとの部屋に向かうことにした。

♪コンコン

あきと :
「はーい？だれー？
あ、じゅんた君。どーしたん？」

じゅんた :
「今、平気？」

あきと :
「うん。どーした？」

じゅんた :
「なんか歯が痛くて…」

あきと :
「あら。ここ座って診せてみ。
痛いのどこ？」

じゅんた :
「下の奥歯かな」
あきとのベッドに座り、口を開けると携帯のライトで照らしながらあきとが俺の口を覗き込む。

あきと :
「あー、親知らずかな」

じゅんた :
「虫歯じゃないの？」

あきと :
「ざっとみた感じだと虫歯は無さそうだよ。
詳しくみたいんだけど、歯医者来れそうな日ある？」

じゅんた :
「俺はいつでも大丈夫だけど…。
いつなら予約とれる？」

あきと :
「家族なんだから、時間外でも診るって。
明日仕事終わりは来れそう？」

じゅんた :
「え、いいの？
あきとのとこ20時までだっけ？
明日20時過ぎには着けると思うけど…」

あきと :
「了解！じゃあ明日待ってるね。
今日寝れそう？しんどかったら薬もあるけど」

じゅんた :
「ありがとう。
大丈夫。明日よろしくね」
そう言って自分の部屋に戻った。

.

〜翌日の20時過ぎ

♪カランコロン
たかひろとあきとの職場、レインボー歯科は19時30分が最後の受付。
今はもう待合室に誰もいないけど、まだキュイーンって音がするから最後の患者さんの治療中なのかな？
歯医者に入り誰もいない受付の前でキョロキョロしているとたかひろが出てきてくれた。

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