歯医者が嫌いな弟 -3-

初めての歯医者 ページ2

たく :
これは俺が初めて歯医者に行ったときのお話。
あれは7歳のときだった。

＊

父 :
「ちいー、たくー！
歯、磨けた？仕上げ磨きするよー！

今日はたくからしよっか。
ここゴローン、あーんして」

たく :
「あーん」

"シャカシャカ

父 :
「ん？…取れないな。
たくうがいしたらもう一回ここゴロンして。
歯ブラシも持ってきてね！」

たく :
「わかったぁ」
洗面所でうがいをしてから
もう一度お父さんのあぐらに頭を乗せて口を開ける。

父 :
「たくここ痛い？」
そう言って歯ブラシで左下の歯をゴシゴシする。

たく :
「んーん痛くないよ」

父 :
「そっか。
母さんちょっときて〜」

母 :
「んー？どうしたの？」
台所で食器を洗っていたらお父さんに呼ばれた。

父 :
「たく、あーんして？」

たく :
「もー、またぁ？
…あーん」

父 :
「ごめんごめん、これ最後。

…母さん、ここ虫歯かな？」

母 :
「あらほんと、黒くなってる…
たく虫歯できちゃったね」

たく :
「むしば？」

父 :
「明日お父さん仕事休みだから
一緒に歯医者さん行こうね」

たく :
「わかったぁ」
(この時僕はまだ歯医者がどんなところかよく知らなかった)

父 :
「学校が終わる頃に門の前で待ってるね」

たく :
「はぁい」


〜次の日の放課後

たく :
みんなとさよならをしてから、ちいと一緒に門まで行くともうお父さんが待っていた。

ちい :
「あっ！おとーさん^ ^」
ちいが走ってお父さんに抱きついた。
僕は友達に見られるのがちょっとだけ恥ずかしくて抱きつくのはやめておいた。

父 :
「おーおかえり！
ちい、今日たくとお父さんは歯医者さん行ってくるから1人で帰れる？」

ちい :
「えー、ちいもいく」

父 :
「ちいも先生に診てもらうの？
おうちでお母さん待ってるよ？」

ちい :
「え、やだ！ちいやっぱ帰る。
ばいばーい」

父 :
「気をつけて帰るんだよ〜」
俺の言葉も聞かずにちいは走って行ってしまった。

たく :
(ちいは歯医者さんがどんなところか知ってるのかな？)

僕のお父さんはお仕事が忙しくていつもは僕たちが寝た後に帰ってくる。
でも休みの日はたくさん遊んでくれるんだ。
だから僕はお父さんが大好き。
ゆう君としょう君とちいとお父さんとサッカーするのが楽しいんだよ^ ^

今日も歯医者さんが終わったらたくさん遊んでもらおう^ ^

ちいと別れてから、お父さんといつもの帰り道とは反対の方に歩いて行ったら歯医者さんに着いた。

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