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じゅんた :
「…りゅうせい?」
りゅうせい :
「あ、お疲れ」
じゅんた :
「何してんの?」
りゅうせい :
「迎えきた」
じゅんた :
「誰を?」
りゅうせい :
「じゅんた君」
じゅんた :
「なんで?」
りゅうせい :
「えぇー。なんとなく」
じゅんた :
「…あきと?」
りゅうせい :
「ま、いいじゃん。
乗って」
じゅんた :
「…ありがとう」
あきとか。
どこまでも優しい。
最後に待合室でなかなか呼ばれなかったのはこの時間稼ぎか。
りゅうせい :
「まだ痛いの?」
じゅんた :
「ん、いたい」
りゅうせい :
「そっか」
じゅんた :
「ん」
りゅうせいはそこから何も聞いてこなかった。
正直、疲れたし痛いし心も折れたし。
車でゆっくり帰れるのがありがたい。
りゅうせいの、深く聞いてこないところも今日はありがたい。
りゅうせいを選んでくれたあきとと、なにも聞かずに迎えにきてくれたりゅうせい。
2人のあたたかい気遣いに心の中でお礼を言う。
.
あきと :
俺が帰宅するとじゅんた君はもう部屋にいっちゃってて。
様子見に行こうかと思ったんだけど、今日は触れられたくないかなって思って行くのはやめた。
そしたら「今日はありがとう」って携帯にメッセージが届いたのでスタンプだけ送っておいた。
.
あきと :
それから何度か治療して、痛みも落ち着いた様子のじゅんた君。
よかったよかった。
気付いたら進行していることもあるから、そろそろみんなの検診もしないといけないね。
それはまた近いうちに。
〜おしまい
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作者名:Tii | 作成日時:2023年11月13日 22時