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のぞむ :
電話をかけると1時間後なら空いてるって言われたのでその時間で予約をお願いした。
10分くらいしてたかひろ君から「受付の子に聞いたけどどーしたの？痛みは？」って電話がかかってきたけれど「一昨日、詰め物取れちゃったから…」と言ったら優しい声で「 待ってるね」って言ってくれた。
りゅうせい :
まだ少し時間ありそうだけど、とりあえずのぞむの気が変わる前に、レインボー歯科まで連れて行くことにした。
〜待合室
りゅうせい :
「ふふっ。笑
大丈夫？」
隣に座るのぞむは、そわそわと落ち着かない様子でちょっと可愛い。
のぞむ :
「もう早くやっちゃいたい。
でもやりたくない。
音聞こえるし匂いもやだ。
早くたかひろ君に会いたいけど、会いたくない」
りゅうせい :
言ってることはめちゃくちゃだけど、気持ちはわかる。
頑張るって決めたのぞむが今、やりたくない自分と戦っているのがわかったので、少しでも落ち着けるように背中をさすってやる。
受付 :
「〇〇のぞむさん。
どーぞー」
のぞむ :
「…りゅうせい君。
…ひとりで頑張ってみる」
りゅうせい :
「わかった。
なんかあったら呼んでな？
待ってるから頑張っておいで^_^」
のぞむ :
「ん、待っててね」
〜診察室
たかひろ :
てっきり誰かといると思ったらひとりでユニットに座っているのぞむ。
「ごめんお待たせ。
ひとりできたの？」
のぞむ :
「もぉおそい…！
…りゅうせい君と来たけど、待合室にいる」
たかひろ :
「遅くなってごめんな。
そっか。りゅうせいと来たのね！
りゅうせいも待ってるからやっていこうか。
椅子倒すよ」
"ウィーン
たかひろ :
「お口あーんして？」
のぞむ :
「やっぱや…」
たかひろ :
「え？嫌になっちゃった？」
のぞむ :
「いたいのや…
やっぱ帰る」
たかひろ :
「あ、まってまって。笑」
椅子から起きあがろうとするから慌てて止める。
のぞむ :
「…もうやめるの」
たかひろ :
「やだね。
でもせっかく来てくれたから診せてほしいな」
のぞむ :
「診るだけ？」
たかひろ :
「ほら、鏡しか持ってない」
のぞむ :
「今日は診るだけにして！
きゅいーんのやつしない」
たかひろ :
「ん、まず診せて」
のぞむ :
「今日は やんないの…
診るだけでいいの」
たかひろ :
「あーん？診ていくよ」
わずかに開けてくれた口にミラーを滑り込ませる。
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作者名：Tii | 作成日時：2023年11月13日 22時
