7人兄弟の歯科物語7

- りゅうせい - ページ2

親友 :
りゅうせいと焼肉に来たんだけど、なんか違和感。
いつものクールなテンションも水を口に含んだまま喋っちゃったりなんかする天然な行動も平常運転なんだけど…。
何か引っかかる。

でも話してると普通だし気のせいか！と思ったけど少し観察して気付いちゃった。

こいつ歯が痛いんじゃない？笑
めーっちゃ冷ましてから食べてるし、左側でしか噛んでないし、たまに下向いて何かに耐えてるし。

「なぁりゅうせい。
歯痛いでしょ？」

りゅうせい :
「あー…うん」

親友 :
「兄ちゃんには？」

りゅうせい :
「言ってないし、バレてない」

親友 :
「どんな感じなの」

りゅうせい :
「最近は熱いのもきつい。
薬飲めばいけるんだけど今日は飲むの忘れただけ」

親友 :
「痛いとこ、穴あいてんの？」

りゅうせい :
「がっぽり」

親友 :
「がっぽりって。笑
はじめて聞いたんだけどその表現」

りゅうせい :
「俺もはじめて言った」

親友 :
「それどーすんの？
兄ちゃんには？」

りゅうせい :
「んー。まぁ…
そのうち？笑」

親友 :
「そのうちって…」

りゅうせい :
「まぁいいじゃん。
ほら、肉焼けたよ」

親友 :
「サンキュ。
ちょっとトイレ行ってくる」

りゅうせい :
「はいよ」

.


親友 :
一緒に住んでるのによくバレてないよな。笑
余計なお世話と思いつつ…。

今は18:30。
車だからお酒も飲んでもないし、しかも今日は俺の運転。
そろそろ腹も満たされて次行く流れ。
これはチャンスと思って電話をかけた。


♪プルルルル

受付 :
「はい。
レインボー歯科でございます」

親友 :
「こんばんは。
向井と申します。
あきと先生かたかひろ先生とお話させていただくことは可能ですか？弟の友達です」

受付 :
「確認いたしますので少々お待ちください」


♪オルゴール

あきと :
廊下を歩いていたら受付の子に声をかけられて、話を聞くとりゅうせいの親友からの電話だったので急いで代わった。

「もしもし」

親友 :
「あ、あきとくん。
今大丈夫でしたか？」

あきと :
「うん、大丈夫。
どーした？」

親友 :
「今りゅうせいと焼肉来てるんですけど、痛そうにしてます」

あきと :
「あいつ…。
せっかくのご飯なのにごめんな」

親友 :
「俺、車なんで連れて行けるんですけど。
流石に今からって無理ですよね…？」

あきと :
「それは大丈夫だけどりゅうせいは何て？」

親友 :
「いや、言ってないっす。笑
連れていっちゃおうかと」

あきと :
「はは。笑
やるねぇ」

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