水で溺れ戀してしまった【free】 (ページ7)

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story 6．喧嘩上等な二人② ページ7

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桜の花弁は已(すで)に散り落ちて

夏らしい涼しげな緑の葉が芽生える

誰もない静かな場所でベンチで座りながら

現実を忘れてしまう絵になるような彼女の姿

『…____もう、夏……か』

すると砂利砂利(じゃりじゃり)と靴を引き摺る

音が近づいて

凛｢何だまた一人飯かA？｣

彼女は言葉を返さず箸を持ち口に入れる

『……馴れ合いは嫌いなだけ』

凛｢そうだったな、其れで頼みたいことが…｣

凛は私の隣に座る

『凛、貴方の頼み事って何時も厄介事

どうせ男子水泳部の手伝いやらコーチやらの話でしょ？』

凛はいつもの様に歯を見せて笑う

凛｢あははバレてたかー、そこを頼むよ｣

『断るわ絶対に無理、部長さんしっかりなさい』

凛は呆れたように下を向いて溜息をつく

凛｢……ん？卵焼き食べないのか？｣

『暑い日はやっぱり食欲が無いものなの…よ』

彼は口を大きく開ける

凛｢昼飯食ってねぇ……一口｣

『凛、私は貴方の彼女でも何でも無いのよ』

そう言いつつも卵焼きを箸に挟んで

持ち上げる

『、はい』

彼はパクッと卵焼きを頬張る

凛｢うん、美味いっ！…流石だなA｣

『…_______はぁ』

彼女は冷静に無愛想に彼の食べる表情を見つめる

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百太郎｢似鳥先輩…今の見ました？！！！！｣

肩を揺らして声を上げる

似鳥｢も、ももくん…ガン見は良くないよ｣

百太郎｢えっだってあの高嶺の華が、り、凛先輩とぉぉ！！？流石凛先輩ぃ！｣

似鳥｢あの人は女子水泳部の部長さんの…
…高嶺の華って｣

百太郎｢知らないんですかー似鳥先輩ー
男子の間で一番付き合いたいランキング1位！…泳いでる姿見てみたいいい！きっときっと｣

似鳥｢(ももくん…興奮してる…なんか。)｣

すると背後から百太郎の後頭部を叩く宗介

宗介｢何やってんだコソコソと…｣

百太郎｢丁度いいところに山崎先輩！ほらほらあっちー｣

何処か惹き付けられる二人の様子

別世界にいる二人に魅力される

宗介｢………どうであれ邪魔すんな、帰るぞ｣