水で溺れ戀してしまった【free】 (ページ47)

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story 46．夏休みの想い日③ ページ47

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宗介｢Aは本当に水泳を辞めなければならないんですか？｣

奏江｢…___俺は正直、Aちゃんには

諦めてほしい水泳の世界を｣

兄はそっとトロフィーを眺め始める

宗介｢諦めてほしい…？｣

奏江｢Aちゃんは確かに水泳選手に向いてる天才だよ、卦度世界に目指すほど壁に打ち当たる
然して…限界を越えて壊れてしまう｣

そっと宗介の肩に視線を向ける

宗介｢…｣

奏江｢俺は医者だからね、身体においても心配だよ
其れに水泳世界の舞台に立とうとした俺がその辛さを知っている｣

宗介｢彼奴はそんなに弱くねぇよ｣

奏江｢だとしても…俺の自慢の可愛い妹だよ
Aちゃんは俺の人生と同じ過ちを犯して欲しくない｣

二人は何故か嫌な雰囲気になる

宗介｢(…凛には聞いていたが…相当のシスコンだな)｣

奏江｢其れと俺は認めていない！
山崎くん君には渡せない｣

宗介｢…は？何を渡せないんだ｣

奏江｢ハートさ…あ｣

気配を感じたのか扉の向こうには不機嫌そうに

見つめる彼女

『お兄ちゃん！！いい加減にして…』

奏江｢いや！違うんだよ｣

『_____…本当に気持ち悪い』

奏江｢……え、き、気持ち悪い…？｣

唖然と死んだ魚の目をする兄

彼女は宗介の腕を引っ張って外へ向かう

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宗介｢……ははは｣

『何笑ってるのよ、途中まで送る』

宗介｢兄に向かって気持ち悪いって相当ショックだろうな｣

『過保護すぎるのよ、』

空は繻子(しゅす)のように光って

無数の星達が覆い被さった空をちらちらと眺める

宗介｢意外と面白い奴なんだな｣

『…はぁ？面白い要素なんて何処にもないわよ』

宗介｢此処迄でいいすぐそこだ…さっさと寝ろよ｣

彼はポケットから手を出して何故か

パチンっと私の額にデコピンをする

『っ痛、突然と……』

宗介｢全国大会頑張れよ、A｣

その言葉に彼女は目を覚悟して

『判ってるわよ』

潮騒が海の健康な寝息のように

規則正しく寧らかに聞こえる

彼女は胸を抑える

『(__________あれ…何この気持ちは…)』