水で溺れ戀してしまった【free】 (ページ44)

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story 43．夢ってなんだ② ページ44

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『失礼しました』

校長室から部屋を出た瞬間

凛｢A！大丈夫か？！｣

私の肩を突然と揺らす凛に状況が把握出来ない

『ちょ凛?!此処…男子立ち入り禁止！』

凛｢そんなのどうでも…いやよくねーけど！
変な事されてねーか？！何処も…｣

『…_______________え？』

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彼女は腹を抱えて笑う

『その事ね……そんなに心配してくれたの？』

凛｢笑うなぁ…｣

『確かに昨日記者に問い詰められて、大変だったけど…別に…』

凛｢ならいいんだ…てか何で校長室に？｣

『実はねスカウトが来たようで、確か
アメリカの大学で_______________…』

凛は目を開く

凛｢そこって超水泳強豪のか？！やったなA！｣

彼女は浮かない表情をして空を見上げる

『水泳は高校生迄って言われているの』

凛｢…高校生迄って…｣

『ほら私両親も祖父母も兄も医者だから
私も医者にならないといけない
だから…如何したらいいのかなって』

凛｢…お前はそれでいいのか？心の何処かに泳ぎたい気持ちがあるなら｣

何処までも続く夕焼けの空を眺め

目を細くする

宗介｢おい凛、そろそろ行くぞ｣

大きい荷物を抱えた彼の姿

凛｢宗介…もうそんな時間か…Aは実家に戻るのか？｣

『ええ、一週間のoffか…私もそろそろ帰ろうかしら』

凛｢実家近いし途中まで一緒に行くか｣

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波の音が耳に響いて潮の香りが漂う

凛｢じゃ俺ここだからまたな宗介、A｣

『ええ、また全国の会場で』

凛と別れを告げて弾まない沈黙で肩を並べて歩く

宗介｢…｣

『まさか宗介くんと近くの実家とは気付かなかった……あら』

風に乗って飛ばされてきたチラシを見つめる

宗介｢灯篭流し祭り……か？｣

『あっそうだ宗介君この後予定は？』

宗介｢特にねぇが｣

『だったら花火見に行こう…！』

彼女は彼の腕を引っ張り

無邪気に楽しそうに笑う

宗介｢おいっ…｣

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まだ気づかないもどかしい二人の行方