水で溺れ戀してしまった【free】 (ページ37)

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story 36．何の為に泳ぐのか① ページ37

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男子自由形 100m 6組

遙｢……。｣

彼の目の前の光景は何が見えたのか

何が起きているのか

水の中で何が見えたのか

何を彼を縛り付けるのか

『綺麗じゃない…____________』

渚｢Aちゃん？｣

呟く彼女の様子を見ながら再び視線を試合に戻す

彼の水の中に射す光は遠くなっていく

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遙｢俺は…_____________ …｣

泳いでいた筈だった彼は突然と泳ぐのを辞め

足を地に立つ

目を疑った

『………、』

渚｢ハルちゃん…｣

怜｢なっ…｣

真琴｢……ハル、｣

凛｢ｯんな…｣

立ち止まる彼の姿が目の前に映し出される

何を思うか

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ロッカー室にて

遙｢…｣

凛｢ハルｯ！！！！！！｣

遙の腕を強く掴む

凛｢てめぇ何やってんだよ、何であんなことした？！｣

遙｢お前に関係ない｣

凛｢巫山戯んな！！スカウトが注目してる大事な試合だぞ！｣

声を荒らげる凛と怒りが込み上げる遙

遙｢其れが如何した…俺はスカウト何かの為に泳いでいるんじゃない…｣

凛｢……じゃお前は何の為に泳ぐんだ｣

『…____________(何の為に…か)』

壁に寄り掛かって二人の会話を聞く

遙｢…俺自身と仲間の為に｣

凛｢だったら仲間の為にも自分の為にも泳げよ
それが将来に繋がる…お前には夢ってもんがねぇのかよ？！もっと本気でぶつかってみろよ！お前ならきっと…！！｣

ﾀﾞﾝｯと物を叩く音が響き渡った

遙｢判ってないのはお前だ！！夢って何だ？！将来って何だ？！其れはお前のだろ！！俺にそんなものは無い！！！｣

我の感情を強く打つける彼の荒らげた声は

仲間、ライバル、彼女に伝わる

凛｢ｯ……、、、｣

遙の目の前に現れる仲間達

怜｢遙先輩…｣

遙｢お前達来てたのか…大丈夫だ

渚、怜、真琴…俺はお前達とリレーを泳ぐ

その為にここまで来たんだ｣

彼達の瞳は感情の詰まった輝かしい瞳は

真琴｢……、。｣

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『美しい景色ではなかった』

そっと彼ら達と離れて午後の部女子個人種目

の試合に向かう彼女