検索窓
今日:108 hit、昨日:67 hit、合計:46,115 hit

第九話 詮索 ページ10

猫猫「麗麗、何処にいたんだ?探してたぞ」




暫くしてから、麗麗は洗い場に現れた。少し身なりが整っていた。漢服も最下層のものではない。色合い的に柘榴宮のものだ。



『心配かけてごめんね。えっと』



猫猫「内緒は通用しないぞ」



仏頂面で麗麗を見つめる。ううっと壁に追い詰められる麗麗は指で頬をかく。




『ちょっと長くなるんだけどね……』





麗麗は雄弁に今までの出来事を語った。
話に聞けば、下女と口論になり水を掛けられた挙句、ふらふらと先で倒れ、たまたま通りがかった阿多妃に救ってもらい、体調が復活するまで個室で休んでいたと言う。今は柘榴宮の部屋付き侍女として務めている……




猫猫「話が上手く行き過ぎてる気もするが……いかんいかん何私は疑っているんだ……)」





うまい話を猫猫には説明したが、水を掛けられた以外は真っ赤な嘘だ。




事実の話をすると

神官としての務めが終わった後、私は柘榴宮 阿多妃の寝室へと向かった






───





_______________







2回扉にノックをするをするも中から返事が返ってこない。
それもそうと時計の針は夜の十一時を指しているのだから、警戒を張られるのも仕方がないこと。「私です」と声をかけてみると寝巻を着た阿多妃がゆっくり扉を開く。白斎服を纏う私の姿を見て驚愕した。





阿多「姫?!なぜこんな場所に」



『夜分遅くに失礼、隣国で手に入れた甘菊茶でも如何です?』



突然の訪問に驚いた阿多は彼女を部屋に通した。彼女は大袋から茶の道具を出して、茶壺(ちゃこ)に草花をいれ湯を注いだ。抽出に少々時間がかかるので、質問したげな阿多妃を見つめる。



阿多「権衡の儀が終わった後帰られたかと思ったが、ここまで来るのに無茶をしたであろう」



『裏路地を知っているので問題ありませんでしたよ』




時間がある程度経ったので茶壺を持ち上げて茶杯に注ごうとしたが
「私が入れよう」と妃に止められた。甘菊茶は隣国でカモミールティーと名されている
草花を乾燥させたもで、リラックス効果がある。身体の消化機能を整えてくれる事もあり、精神疲労や胃痙攣などにも効果的だ。別名マザーハーブとも呼ばれているらしい。



阿多「見ないうちにまた麗しくなったな、大神官は変わりないか?」


『はい、変わらず魚が跳ねるようにしています』


阿多「ははそれは大層な事で。この茶上品に香るのだな旨い」


『お気に召されたようで良かった』

第十話 詮索→←第八話 神官



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (104 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
551人がお気に入り
設定タグ:薬屋のひとりごと , 壬氏 , 猫猫   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

化鮎(プロフ) - ななしさん» 読んでくださってありがとうございます。すみません今気づきました。最後まで書いたのですがどうやら消えちゃったようです。知らせてくれてありがとうございます。どうぞ今後もよろしくお願いします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈) (3月18日 21時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
ななし - いつも楽しくお話読ませていただいてます!18話刺客が途中で終わりになってしまっている気がします。確認の方よろしくお願いします!続き楽しみにしてます( *ˊᵕˋ )ノ (3月17日 19時) (レス) id: 60cf5c463f (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - さふゆわさん» ‪ჱ̒ ー̀֊ー́ )頑張ります (3月13日 10時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - 続きがきになる〜!!! (3月12日 23時) (レス) @page21 id: da462b131e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あゆみ | 作成日時:2024年2月25日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。