第八話 神官 ページ9
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帝のいる部屋の外で待機していた壬氏は腰を低くしたまま
中での会話を聞いていた。
雲雀のような声に
「(神官は女か?)」
と内心思う。
梟の鳴き声が響く。2回目という事は神官が宮から帰るという事になる。扉が開かれ、静かな足取りで階段を降りていく。姿を見ないよう地面に目線を向けるが、神官が通った瞬間ほんのり鼻に伝う梨の花の香りが漂った。何処か懐かしい香りに記憶が遡る。
「まさか、な………」
気付けば、神官の姿は見えなくなっていた。
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『もう嫌になっちゃう!そもそも私は魔術師でも手品師でもないの、国の平和?はっ冗談でしょ、自分の国は自分で守れって言う話よ!何故私が長ったらしい祈りを捧げないと行けないのよ!』
面布を脱ぎ捨てて、用意した馬車に乗り込む。
盲唖である二人も面布を解き、ゆっくりと目を開く。
そう、面向きは盲唖。然し事実はそうではない。耳も聞こえるし目も見える。
付人1「A様、そう癇癪なさらぬよう」
付人2「そうですよ、可愛らしいお顔が台無しです」
『はぁ、
付人1「其れは姫の力量を存じての事ですよ」
『そうそうに私は失策をしたのよ、月の君はどうやら私を探っている。あ、私というか。仮の名の麗麗の事よ』
付人2「つまり正体が露呈されると?其れは良かったではありませんか、あの御方の微かな気持ちを……」
『子供の頃の戯言よ、私は使命を果たすだけ。それじゃ私は戻るわ。麗麗が留守にし過ぎていると猫猫が心配するのでね』
付人1「まだ髪の染物なされてませんが、」
『宛は有るのよ、既に。』
美しい彼女は馬車から飛び出す
付人「姫には神官に相応しい力が備わっている、本人に自覚はないけれど。」
「幼い頃から守っていた、あの時の出会いは仕組まれていた……」
付人は目を閉じ、面布を纏う。
馬車は西の方へと進む。
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数日後
高順「壬氏様、麗麗という女の居場所が分かりました」
「何処にいた」
高順「柘榴宮 阿多妃 の元に居られます」
「何だと?一体どういう事だ」
高順「そこまでは、ただ柘榴宮での侍女として務めているということです」
「……あの雑巾お……いや麗麗……ますます怪しいな」
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化鮎(プロフ) - ななしさん» 読んでくださってありがとうございます。すみません今気づきました。最後まで書いたのですがどうやら消えちゃったようです。知らせてくれてありがとうございます。どうぞ今後もよろしくお願いします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈) (3月18日 21時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
ななし - いつも楽しくお話読ませていただいてます!18話刺客が途中で終わりになってしまっている気がします。確認の方よろしくお願いします!続き楽しみにしてます( *ˊᵕˋ )ノ (3月17日 19時) (レス) id: 60cf5c463f (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - さふゆわさん» ჱ̒ ー̀֊ー́ )頑張ります (3月13日 10時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - 続きがきになる〜!!! (3月12日 23時) (レス) @page21 id: da462b131e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆみ | 作成日時:2024年2月25日 1時