第十六話 危機一髪 ページ17
今すぐにでもそのふにゃけた顔を抓りたいくらいだが、動揺もせず
「ご機嫌よう、壬氏様」と頭を下げた。
壬氏「何処へ？」
『阿多妃の元で御座います。本日寝室の清掃担当は私ですので。急ぎなので失礼致します』
壬氏「何故美しい髪色を濡羽色に隠すのか、深い理由があると私は捉えている」
颯爽と本題に入られた。鷹のように鋭い。少し言い訳になるが、そもそも箱入りの娘、身の回りの者に花や蝶、宝石のように大事にされてきた神の使い。そんな私が間諜のような事を完璧に出来るわけがない。この所、こちらも警戒を張ってたので日中は怪しい行動をせず仕事をしていたが、その間に部屋を漁られるとは。上手く隠しておいた筈だが､壬氏の傍に置く宦官。そう簡単に騙せる訳ではない。見通すのが甘かったのだ。
『それは……』
言い逃れが出来る言葉が思い浮かばない。
詰みか。
絶体絶命の頃合いに救世主がやって来た。
阿多「何事か」
散歩中の妃が現れた。二人は敬意を払い、腰を低くした
『(どうするか、この状況)』
阿多「麗麗、掃除はよい。髪の染をするとよい。薄くなっている」
『なっ…』
何故そんなことを?！私を助けるつもりでは無いのか？
壬氏に見られないよう妃に向かって顔で訴えるが、微笑み返された。
…一体何を企んでいるのやら
壬氏「ほう…敢えて髪を染めているようだな、やはりお前は…」
阿多「ああそうだ、可哀想なことだ、その年で奇病とされる若白髪の病を負っているのだから」
『は、』
壬氏「な、なんだと若白髪だと」
阿多「染物の美玄香は私から贈ったものだ、前は墨汁で染めていたと聞いてな、それでは直ぐに落ちてしまう。私の実家から取り寄せた逸品だ。何度も言うが他の侍女達には内密に」
『は、はい。もちろんでございます。』
壬氏「(成程、だからあの時の姿は墨汁が落ちてしまったのか…いやだが確かにあれは美しい銀髪であったが。いやもう詮索はやめだ。妃がいうのであれば私の勘違いになる)」
阿多「壬氏殿、この侍女の髪色については他言無用で頼む。侍女であっても女の容姿だからな」
壬氏は啞然として、妃から言われたことを承諾して柘榴宮から姿を消した。
何とか命拾いをした、頭の回転が早い妃に助けられたものだ。
阿多「すまない姫、姫の艶やかな髪を欠品と称してしまった」
『構いません、お陰で助かりました。これであの人から逃れられる』
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化鮎(プロフ) - ななしさん» 読んでくださってありがとうございます。すみません今気づきました。最後まで書いたのですがどうやら消えちゃったようです。知らせてくれてありがとうございます。どうぞ今後もよろしくお願いします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈) (3月18日 21時) (
レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
ななし - いつも楽しくお話読ませていただいてます！18話刺客が途中で終わりになってしまっている気がします。確認の方よろしくお願いします！続き楽しみにしてます( *ˊᵕˋ )ﾉ (3月17日 19時) (レス) id: 60cf5c463f (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - さふゆわさん» ჱ̒ ｰ̀֊ｰ́ )頑張ります (3月13日 10時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - 続きがきになる〜！！！ (3月12日 23時) (レス) @page21 id: da462b131e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆみ
| 作成日時：2024年2月25日 1時
