14 story_あなたを知りたくて ページ15
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鍵付きの本を本棚にしまう。すると扉が開く音がするので玄関へ向かうと白い包箱を持ったレイが帰ってきた。
『おかえりなさい!』
「ああ、ただいま……」
帰ってきたというのに何故かレイは少しムッとしていたというか
何かを求めている顔だった。
「朝限定ってやつなのか?仕事の後のほうが癒しを貰いたいんだが」
……ああ、そういうこと。
……ってそうじゃない!お出迎えのキスやらハグでもしろと?
こんなレイ見たことない……家だと素が出るのかな。
彼は、「ん、」と両手を広げた
ズルズルと彼に近付いて抱き着いた。背中に腕を回してギューッと。
レイの爽やかな香りが大好きだ。
『はい、これで十分?』
「出迎えは十分だ、ありがとう」
……出迎えは、って……まだなにか求めてるってこと。。。
そんな事はさておき、レイがお風呂に入っている間
仕込んでいたハンバーグを焼いていく。先程レイが持っていた白い箱
の中には甘いケーキが二つ。これは食後のデザートにしよう。
──────
_______________
「美味いな、」
『それは良かった、レイ』
少し鋭く彼の名を呼ぶ。
それはそうとハンバーグの端に置いた人参を食べていないからだ
「……わざと……か、」
『人参には栄養が詰まっているの、ハンバーグの付け合せに適しているしね。ふふ、相変わらず貴方の人参嫌いは健全ね』
フォークに人参を突き刺して、彼の口元まで近付ける。
「こうすれば私が食べれると考えたのか?」
『少なくともそう思ってるけど、はいあーん』
「……賢く考えたな」
彼は上げた人参を食べた。
少し頬が赤くなっている。
『(可愛い……)』
「ちゃんと食べたぞ」
こんな彼が人参嫌いだなんて想像に付かない。普通は。
だから可愛くて仕方がなかった。
夕食のあとはソファーに座ってるテレビを見ながらケーキを食べていた
「今日は何をしていた、退屈だっただろう」
『もうそりゃもう、部屋を掃除しようにもこの家綺麗なんだもん。
あでも明日からは事務作業をする事になった。在宅ワークなら大丈夫でしょ?』
「ああ、ただ目の使いすぎは気を付けろ」
『うん、このケーキ凄く美味しいね』
彼は手を伸ばして、私の口元についたクリームを指で拭き取って
ペロリと舐めた。
「確かに、甘いな──────」
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KIRAHIKAKOKORO(プロフ) - 新しいお話、最高😆😆化鮎さん✞(*´˛`*)✞神だわ (4月3日 15時) (レス) @page16 id: 2c863513fd (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - KIRAHIKAKOKOROさん» 読んで下さりありがとうございます。とても嬉しいです。更新頑張りますのでよろしくお願いいたします! (4月3日 11時) (レス) id: c4c0aa5ccc (このIDを非表示/違反報告)
KIRAHIKAKOKORO(プロフ) - 化鮎様『恋と深空 レイ』小説、大好きです。続きを読みたいのでヨロシクお願い致します🙇♂️ (3月31日 22時) (レス) id: 2c863513fd (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - にょんさん» 嬉しいですт_тありがとうございます!!! (2月15日 9時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
化鮎(プロフ) - mjさん» わぁこちらこそ読んでくださってありがとうございますт_т♡ (2月15日 9時) (レス) id: 0a7cb3211d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アユミ | 作成日時:2024年2月6日 15時