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『月の光が乏しい……』
目覚めた時には、この別荘に居た
手入れも管理もしてなかったこの屋敷に
降り積もっていた
庭も草で生い茂っていた
本拠地では無く、態々こんな遠い所に来たのも
中隊長の意向_______________
彼は隠しているつもりだろうが、この広い敷地の中に
微かに感じる幾多の焔ビト
『(一体何の為に……?時間稼ぎか?一体なんの時間稼ぎ?)』
「貴方を奪おうとする下劣な奴らからですよ」
その声に反応して、後ろを振り向くと
トレーにカップを乗せた中隊長だった
扉を閉める音もなければ、気配も気付かなかった
_______________其れに私の心を読んだ
『榮………………貴方』
「先ずは、喉を麗しましょう。A様の好きな薔薇の紅茶です」
彼が何時も入れてくれる紅茶に私は手を伸ばせなかった
『……この状況で、毒の入れたかもしれないものを口に入れることは出来ないわ』
「突然と何を言い出すのですか?折角飲み頃だと言うのに……」
榮は紅茶を飲み干した
すると彼の肌はじわじわと赤い発疹が出て、咳き込む
「おや、ホントですね。毒が入っていました……これはこれは危ない」
『貴様……』
彼女は警戒し、腰にある筈のものに触れるが無く
部屋の辺りを探すが、何処にもなかった
「A様の篝火炎刀は下にありますよ」
『…………いつ何処で私の刀に触れていいと言ったのかしら?』
「すみません、重そうだったので」
『巫山戯るな!!鷺嶋 榮_______________……
私を弄ぶのなら容赦無い』
「炎刀無しでですか?其れに今の貴方は私が見るにとても弱々しい。発火能力を出そうにも、通常100%が今では7.4%しか出せない」
『外にいる焔ビトが時間稼ぎと言ったな、下劣な奴らの為の。私が想像している奴らで合っているのかしら?』
「はい、ご名答です」
『……そう』
「漸く大人しくしてくれそうですね、お風呂の用意は出来ています」
『榮、お前は
_______________……伝導者の仲間でしょう?』
夜風に彼女の黒髪は揺れる
雲で隠れた月が表し、私達を照らす
「知っていたなら、早く言って貰いたいもんだな
A様」
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あおり(プロフ) - 化学的酸素要求量さん» please.更新!!がんばってください! (2020年11月25日 17時) (レス) id: a183b3bfa3 (このIDを非表示/違反報告)
化学的酸素要求量(プロフ) - あおりさん» 全然大丈夫ですよ!ちょっと分かりにくいですよね笑私も最初そうでした!気にしないでください! (2020年11月16日 20時) (レス) id: ca4637bf7d (このIDを非表示/違反報告)
化学的酸素要求量(プロフ) - ノアさん» 読んでくださってありがとうございます!更新頻度落ちてしまってごめんなさい、、更新頑張ります! (2020年11月16日 20時) (レス) id: ca4637bf7d (このIDを非表示/違反報告)
あおり(プロフ) - 化学的酸素要求量さん» あおりです。ごめんなさい、レスのやり方わかりました…すみません\(_ _) (2020年11月16日 19時) (レス) id: a183b3bfa3 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - すごい面白いです!更新これからもがんばってください! (2020年11月13日 21時) (レス) id: 446b9f453e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆみ | 作成日時:2020年9月2日 23時