2:時の回想 ページ2
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理由としては恐らく、日本政財界を牛耳っている
黄金の王、國常路大覚の孫であるからだ。
そう國常路の名がつく
國常路A_______________……
それが私の名前。
生徒も教師もここの学園長も私に頭が上がらないのだ
そんな私に自由も何も人権すら神のように扱うのだ、
なんの力も持たぬ私が。
『………………あ』
考え事をしていたら、とっくに日は暮れ夜になっていた。迎えの時間もとっくに過ぎている、このパターンだと口煩い母にこっぴどく文句を言われるに違いない。急いで鞄を持ち扉を開くと、思いっきり人にぶつかり、相手の身体に顔をうずくまっていた
「あってごめん、怪我はない?」
この訛りのある口調にハッと顔を上げると、帰ったはずである赤いチンピラの一人草薙出雲がいた。
『こ、此方こそごめんなさい』
「國常路さんはこんな時間まで勉強しとったんか?」
『ええ、まぁ。草薙くんは?』
「俺はちょっと忘れ物や、……家の鍵を忘れて…あったあった」
彼はシルバーの鍵をそっとポケットに突っ込み、用を済ませる
「んで國常路さんは迎えとかやろ?」
『……歩いて帰るわ、近いから』
「んじゃ其れは危ない、俺が送ってく」
突然何を言い出すと思えば、思いがけない発言で戸惑う
『お、お構いなく、一人で帰れますので』
「それはあかん、ここ最近物騒とか言うてはるし……其れに君みたいな子は守られるのが妥当やと思うで」
『守られる?』
「せや、だから俺と一緒に……」
『自分の立場判っているの?!気安く私に話しかけないでくれるかしら、私と貴方は身分も異なれば、人間性だって違うのよ!貴方見たいな人と肩を並べるなんて…………あ。』
ついカッとなりいざ冷静を保つと、自分が何を仕出かしたか蘇ってきた。私はこの場から逃れたくて、駆け足で出て行った。
「あちゃちゃ、怒らせたんかな……俺」
と草薙は髪をクシャッと掻き乱す
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街頭の下で浮かない顔で靴を少し擦りながら、ゆっくり歩く
『………初めてだったのに、あんなに気安く話しかけてくれたの』
本当に突然と黒い影が目の前に立ちはだかる
「んなぁお嬢ちゃん、ちょっといいかな?」
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化学的酸素要求量(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!更新なかなか出来ず申し訳ないです、、。必ずや更新させます! (2021年4月14日 0時) (レス) id: ca4637bf7d (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 素敵な作品ですね!更新楽しみしてます! (2021年4月11日 13時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆみ | 作成日時:2020年5月10日 2時