柊家のもう一人の天才長女【弍】 (ページ48)

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九十五．ページ48

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重苦しい空気に皺を寄せる

視線を横に振ると

『正しく有り得ない光景ね暮人』

椅子に座り手と足に鎖が縛り付けられている

疲れ切った彼の姿

暮人｢念の為だ俺も何時可笑しくなるか分からんからな｣

グレン｢一緒そのままでいいんじゃないか｣

暮人｢あははは冗談はよせ｣

深夜｢今ので笑うの？｣

暮人｢笑うことによって何故かラクになる｣

すると突然と刀が微力に動いた

彼女はそっと刀に触れる

『……………』

一瞬だけ三体の黒鬼が反応していた意識が違う場所に

飛んでいた気がした

暮人｢A如何した？｣

『…優一郎はどこに居るの』

深夜｢あの子ならシノアの傍に居るはずだよ｣

『あの二人が一緒』

再び耳を澄まして意識を集中させる

そっと暮人の胸に手を置く

深夜｢ひゅ～｣

暮人｢おい、｣

『_______________いない……まさか！』

慌てて白い部屋の中に飛び込むと

二人は倒れ込んでいた

鬼の世界に依存している状況だ

『シノア！！！！！！』

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【あの人の気配がするね、卦度彼女が居ると厄介だ】

シノア｢A姉様！しぃちゃん優さんに手を出さないで！｣

【16年間下げなかった心の壁を下げてしまった
君は優に恋をしているだから欲望が抑えられない⠀】

シノア｢黙れ｣

【卦度私にとって好都合だよシノア君は僕の侵入を許すだろう】

シノア｢そんなこと！！｣

その隙を狙って鬼はシノアの首を掴む

シノア｢っ｣

【さぁ心の壁を越えて君の中に入るよ⠀】

シノア｢……っ優さ、ん｣

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『…っ！！！』

一瞬のこと吸血鬼の始まりである真祖の気配が

感じられた

この気配だけで世界中の吸血鬼が気づくほどの存在感

そっと我に戻るとシノアの周りには焦る人達

グレン｢心臓が動いてない！！！！｣

遅れて目覚める優も悪夢を見たかのように唖然とする

優｢だ、誰かシノアを救ってくれ！！！｣