【d!】俺のおよめさん (ページ7)

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4話ページ7

レイ side

いよいよ入学式が始まった
入学式といっても特にすることはない
先生やお偉いさんの言葉を黙って聞くだけである
随分と暇なものだ

ふと、周りの視線を集めている事に気づく

俺の正体がそんなに気になるのか

教室の時までとは言わないが、俺をあまり良くないと思っているのだろう。コソコソと話し声が聞こえる

md｢誰ですの……？ww｣
md｢その辺のぼんくらか？……ww｣

俺を不審がったり、馬鹿にしたりとまぁまぁ酷い扱いだ
至って俺は別に俺は痛くも痒くもないのだが

今はそれでいい
後で痛い目に合うのはお前達だからな

mb｢えぇー……続きまして、新入生代表挨拶
"首席"レイ・リーベ!｣

『はい』

俺が返事をすると、周りがザワつく
席を立ち、ゆっくりと前の方まで歩く

一気に注目を浴びていることを肌で感じる

なんであんな奴が
何かの冗談だろう

目を見なくても雰囲気で分かる
まぁ気持ちが分からないこともない

この国で名の高い"リーベ家"のご子息が
こんな姿だと誰も思わないだろう

会場の壇上に上がり、人々の方を向く

『……ー桜の花が咲き始め、温かい日差しがーーーー』

思ってもいないことを機会のように口から発する
この学校に感謝など1ミリもない
ただ表の形だけでもと言葉を送る

俺はあの人に会えればそれだけでいいのだから

〜

『ーー…以上をもちまして、新入生代表の挨拶とさせていただきます』

長い長い演説が終わり、一礼する
盛大な拍手が会場内に響き渡った

初めてにしては上出来か
席に戻れば先程までの嫌味はすっかり聞こえなくなっていた

mb｢続きまして、在校生歓迎挨拶
生徒会長 "グルッペン・フューラー"！｣

甲高い声が会場に充満する

頭に響くな……何とかならないのだろうか

gr｢……静まれ｣

そう一言、そのたった一言で会場の空気がガラリと変わる
騒いでいたものは黙りこくり、この場にいる全員がこの男から目を離せなくなる

gr｢まずは新入生の諸君、入学おめでとう｣

言葉の一言一句に重みを感じる
これがカリスマ性というものなのだろう

gr｢生憎、俺はこういう場での長話はあまり好かないんだ。だから手短にすませる
この学園に入学するにあたって、困難は絶えないだろう。だが覚えておいてほしい。誰が何を言おうと、君の選択は君の人生そのものなのだ。自分にしか生み出せない個性。それは尊きものである

さぁ我々と共に人生を紡ごうではないか

君という名の物語の

主役は"君"だ｣