【d!】俺のおよめさん (ページ4)

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1話ページ4

｢わぁー！花がぶわーって！ひらひらーって！すごーい！｣

『こんなの簡単だよ』

｢ねぇねぇもっと見せて！まほうもっと見てみたい！｣

『し、しかたないな』

『…ｯ!!』

ガダガダと揺れる馬車の中で目を覚ます

いつの間に…
たしか、学園に向かって出発して
そうだ久しぶりの外で安心して寝たのか俺は

母上が乗ってなくてよかった
本当に

俺は椅子に座り直し、体制を整える

それにしても

『…夢か』

夢を見るなんていつぶりだろう
…懐かしかったな

昔の思い出に浸っていると、馬車の揺れが止まる

ドアが開けられ、馬車から降りる
ご苦労、と御者に感謝を伝え見送った

あぁやっとだ
この日をどんなに待ち望んでいたか

目の前の景色を目に焼きつける

あの日以来だなここは

魔法学園…いや
お城と言った方がいいか？

思わず笑いがこぼれる

『バカバカしい…』

嬉しすぎて頭がとんだか？
だが、喜ぶのはまだ早い
これからがもっと大変なのだ

母上にはバレないように、あの約束を果たさなければならない

あの人を見つけなければ

まずこの後どうするか
生半可な計画だと俺は何も得られないだろう
約束も守れず、卒業後は母上のところで一生を過ごす
慎重に行動をしなければ

その場で少し考え込んでいれば、周りが少し騒がしいことに気づいた

なんだこの騒ぎ
あの人集りか？
少し気になった為、この騒ぎの元凶であろうところに向かう

〜

｢｢｢｢きゃぁぁぁぁーーーー!!♡♡♡｣｣｣｣

甲高い声が耳を劈く

何をそんなに叫んでいるんだ
物珍しいことでもあったのか？

人が予想以上に多く、少し背伸びをして見る

目を凝らして見ると、そこには

『あれは…生徒会か…？』

人数や容姿を見るに、恐らく生徒会だろう
何にせよあの美貌だ

母上から聞いた話たが
今の生徒会は去年、学園設立以来史上初の全員1年生で生徒会を勤めていたらしい
なんの為にやったのかは分からないが、凄いことだ
先輩に無能しか居なかったのだろうか

『生徒会か…』
情報収集面にしてはいいかもしれない
俺は首席であるし、生徒会に入る最低条件は満たしている
母上の期待に応えるのに初日にしては十分すぎる

いくか…？

いや、まだ決める時ではないな
焦って何かしでかしたら、それこそ本末転倒だ

焦ったら終わりだぞ俺
なんの為に今まで頑張ってきたんだ
水の泡にするなよ

人集りの原因も分かり、特にすることもない為
入学式に遅れないよう教室に向かった