【レトルト】START【実況者】 (ページ38)

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036　レトルト　「初めまして」ページ38

正直、琉麻ってどんな人物なんだろうか。
よくわかんないです、俺にも。キヨはわかっているみたいやけど。

ここ２週間、琉麻に関わってわかったことがある。

・とにかく女。
・女子力の塊。
・よくわかんない。
・基本なんでもできる。
・ゲームが苦手らしい。

今日は、明後日行われる公式イベントの打ち合わせのために、その会場に足を運んだ。
ここには、最俺からキヨとフジ、MSSPからFBくんときっくんとえおえお、セピアさんに俺。
そして、琉麻が来る。

コンコン。

「はーい！」
「失礼しまーす」
「あ、レロルトさん！」

開けてみると、中にはFBくんときっくん、フジにセピアさんがいた。

「あれ、まだ揃ってない？」
「えおえおは寝坊したって言ってたから、もう少しで来ると思うよっ」
「キヨはお約束だろ」
「アークエンジェルさんもまだですよ」

えおえお珍しいなー。
と言うか、琉麻まだ来てないんだ。

「アークエンジェルさんにあったそうですがレトさん。感想をどうぞ」
「え？！」

フジがニヤニヤと手をマイクにして、それを俺の方へ。

「…普通に可愛かった」

期待を裏切らないように、言葉を選んだつもり。

「やっぱり女の子かな！」
「知らないよ。キヨ、教えてくれないし」

きっくんが目を輝かせている。
まあ、珍しいもんね。『女性』実況者。

「ふわぁ…。こんにちは…」

ノックもなしに、あくびをしながら入ってきたのは、いつものパーカではないえおえお。
いつものようにねむたげに目をこすっている。

「あれ、キヨは…？ていうか、人足りないよね」

でも、まだ時間には余裕はある。あと10分くらい。

「…でも、ひとつ言うなら、アークエンジェルって家が遠いから、時間かかるのかも」
「誰が時間かかるって？レトルト」
「ゲ」

いつの間にか、目の前には少し化粧を施した琉麻…アークエンジェルの姿。
白いワイシャツに黒いミニスカートとネクタイ、ニーハイソックス。赤いカーディガン、パンプス。

「初めまして、実況者をしているアークエンジェルです。
　好きに呼んでください」

綺麗な女の人の声でペコッと頭を下げる。

「わー！女の子だー！」
「久しぶりに女の子見た」

きっくん、FBくんはそれぞれ声を上げる。
そんなに見てないんかい。

「…気づいてないし」

隣で薄く笑みを浮かべる琉麻は、超怪しかった。