犬派なんだね伏黒くん

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伏黒 side






『伏黒！伏黒！何級だった？！』






今日は合格発表。




普通の学校みたいに外に番号が貼り出される、とかじゃなくて俺たちが受けた呪術高専は家に受験結果が郵送されてくる形式だった






「二級だった。その様子だとお前も受かったんだな」



『うん、うわ、まってちょっと負けた…凖ニ級』



「凖ニ級？！」



『そうですー。なに、喧嘩売ってる？』




「その練習期間でその結果なら十分だろ…」




『え！そうなの？！じゃあもっと褒めて！！』




電話越しにいつも以上にテンションの高い彼女に自然と口角が上がる




『晴れて同じ高専受かったんだし、お祝いしなきゃね〜』




「またか…？

ついこの間卒業祝いとか言ってウチでパーティーしたばっかだろ」




『それはそれ、これはこれなの。

今度は…そうだな〜外食もいいかも』






焼肉？でも寿司もいいな…でもステーキ！と一人で盛り上がっている高橋の話を聞いていると、

不意に痣のことを思い出した






「…そうだ、腕は？」





単刀直入に聞くと あー、と言って話し始める




『そんなに悪くなってないよ！なんかね、試験の時に腕隠したまま戦ったのが良かったみたい』



「は？」




あの天与呪縛をほぼ利用せずにたった5ヶ月の練習だけで凖ニ級レベルの強さって…



いくら才能っつっても……チートかよ





『ね、そういえばシロとクロは元気？

休み入ってから会ってないよね』



「元気だよ。試験でも頑張ってくれたしな」




耳でスマホを押さえながら目の前の二匹をふさふさと撫でる




『うわ〜伏黒は毎日会ってるんだもんね、ずる〜...



…そうだ、今からそっち会いに行っていい？』



「いや、ちょうど出ようとしてたところだから迎え行く」




『ほんと？！じゃあ玄関出て待ってる！！』







ぷつ、と電話が切れる







Aと会うのは卒業式以来だ





「…卒業式、」







．






「好きでもない奴にあげる義理ねーだろ」





「言われなくても…

渡すならお前がいいと思ってた」






．







遠回しに告白するように第二ボタンを渡した、

卒業式。







「…はっず、」






思い出しただけで体温が上がる








こんな感情を抱いてるのは自分だけなんだろうか。









．

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