4:デート ページ4
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事の発端は、授業が終わってAさんが教室を出た後の休み時間だった
「伏黒」
釘崎に呼ばれて何かと思えば「ちょっと耳貸せ」と手招きされて少し屈む
「…アンタ、A先生のこと…そうなのね?」
「、は?!」
「大丈夫よ。誰にも言わないから」
静かに頷き 察したわ、みたいな雰囲気を醸し出し始めたコイツ。反論は無駄だと思って諦めた。
「先生、彼氏は?」
「…いない…と思う。そういう話は聞いたことない」
あるとすれば五条先生がAさんに好きって言ってたぐらいだな、ノリかマジか分かんねえけど。
と付け足すと そうね…と考える仕草をする釘崎。
「私も聞いたことないわ。恋バナは真希さんと先生と三人でよくするけど、大体はぐらかされるし」
「…そうか」
すると釘崎は何を思ったのか俺の肩を叩く
「…よし伏黒。メシ誘ってこい」
「は?」
「は?じゃないわよ。なにも仕掛けないことには始まらないでしょ」
「なあなあ、何話してんのー?」
「ほらアホが来る前に早く!!」
「ちょ…!」
教室から無理やり追い出されて、戸惑いながらもアイツが言ってたことは別に間違ってねえし…と勇気を出してAさんを追いかけて、誘った。
そして今に至る。
『ん、おいしー!!』
「火傷しないで下さいね」
『うそ…私恵に心配されるほどオバさんに見える…?』
「…そんなこと言ってないでしょ」
焼けた肉をトングでつまみAさんの皿に乗せるとすぐに彼女が口に運ぶ
…言ってないどころか、オバさんだなんて微塵も思ったことねえよ。
『でも恵も大っきくなったね〜女の人にお肉焼いてくれるなんて』
「……ガキ扱いしないでください」
『そういうんじゃないって、私は素直に成長を喜んでるのー。』
こういう話をされると本当に男としてみられてないんだ、と自覚させられる
…多分 歳の離れた弟みたいな存在。ぐらいにしか思われてないんだろうな
『結構女の子と二人で遊んだりしてるの?』
「ないですよ。今日が初めてです」
『へえ…じゃあ今日が初デートか』
「はい、…えっ」
デート…って言ったか?この人
『あ、ごめんちょっと電話』
そう言って席を外したAさんが戻ってくるまで、
俺は肉を焦がしていることに気が付かなかった
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きむだんご(プロフ) - 美園さん» ありがとうございます〜!! (2021年3月13日 13時) (レス) id: e8672fdeaa (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 恵!可愛いいなおい!夢主ちゃん好き!がんばってください! (2021年3月13日 8時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きむだんご | 作成日時:2021年3月9日 23時