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かまど、たんじろうくん ページ5






おでこが可愛いなと思った。

「お願いします!俺に出来ることならなんでもやります!だから、どうか、鬼を人間に治す薬があれば教えてください!!」

とつぜん尋ねてきたかと思えばずっとこの調子
どこかの誰かあたりに私のことを聞いたのだろう。
鬼になってしまった妹を人間に治したいという。
だが結論から言おう

「ごめんね、無理」

「な、どうしてですか!?鬼の生体は分かってるって、」

「うん。噂を鵜呑みにするのは良くないよ、これは忠告だ。だがまあそれに関しては合ってる、間違いはない。生体は分かるよ、だが原理は知らない。仮にもし私が人間に戻す薬を作れていたらもうとっくに使ってるはずだろう?少しは考えてみたまえよ」

「あ、う、……たし、かに、、」

「時にかまどたんじろうくん。君はさっきなんでもすると言ったね?私も鬼を人間に戻す方法には興味がある、逆も然りだが。私利私欲のために鬼を量産つもりは無い、無いとも、うん。」

嘘だ。ありまくる、むしろその気持ちしかない。
仮にだが考えてみればそこらじゅうに鬼がいるということは私にとっては被検体が首輪もつけずうじゃうじゃ歩いているということ。考えるだけで涎が止まらなくなりそう

「鬼を連れてきてくれ!」

「は、え、いや、むりです!ごめんなさい!」

「嘘もつけない男は生きていけないよ?」

「いえ、嘘とかではなく、その、違反行為とか考えないんですか」

「そんな物考えてたらキリがない。でも、そっか、無理か……」


しょぼんと落ち込む私、と同じように落ち込む炭治郎くん。同情を誘う作戦だったがこのままでは逆に同情してしまいそうなほど悲しい顔をしている。

ひとつ小さくため息をつき、次の言葉を吐く。

「ならばこうしよう、私が君の任務について行く。うん、それがいい、鬼が来ないのなら私から会いに行けばいい、天才か?……私は天才だったな」

「大丈夫ですか…?」

「なにが、頭の?頭はちょっとおかしいくらいがいいのだよ」

「えっ、いや、仮にもAさんは柱だと聞きました」

「仮にも…?」

「なので俺なんかより多忙の身なのかと思ったんですけど……」

「無視か。だが安心したまえ。その件に関しては問題ない、新入隊員の訓練及び見守りとかそんな感じのことで誤魔化せるだろう!」




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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月24日 23時

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