君に似合う花 ⅲ (ページ3)

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（少し痛い表現があります。）ページ3

走馬灯のようなものを一瞬見た気がした。

本気でやらかしてしまった。

肩からは出血があり、正直意識も朦朧としている。

あぁ、なんでなんだろう。Aちゃんに会いたい。無性に、会いたい。

会って抱きして、“苦しいですよ”って苦笑いしてるAちゃんに会いたい。

あぁ、この感覚、どこかで感じた記憶がある。

あぁ、前までいた、マイキーの側近の奴だ、

あいつはほんとに良い奴で、お人好しだった。

嫁を事故で亡くしたらしく、

娘を1人で育てているとよく言っていた。

“本当に、Aはいい子なんです。可愛くて、可愛くて、”

酒を飲めばすぐ娘の話をする。

あいつは反社には向いていないやつだったけど。

梵天には必要な存在だった。

殺伐とした雰囲気の中で、1人。一般人が紛れ込んでるようなものだったけれど。

あいつがいたから、出来たことも多くあった。

あいつから、真剣な顔で相談を受けた。

“首領にはまだお伝えしていないのですが、私が働いている下請けの製薬会社の中に、裏切り者がいる可能性があります”

あいつは、人を見る目だけはよくて。

マイキーも俺たち幹部の、あいつの言葉を信じ調べさせた。

どんどん出てくる裏切り者の情報に、あいつを幹部への推薦の話も出たぐらいだった。

でもある日、あいつは襲われた。

俺たちが到着する数秒前に、娘の前で殺られた。

外だということを忘れ、俺たちは殺りまくった。

もう何もかもわすれ、荒れ狂った。

数分後に到着した、竜胆に止められるまで、

俺とマイキーは拳を振り続けた。