君に似合う花 ⅲ (ページ20)

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“デート” ページ20

服を着替え、髪の毛も可愛くしてもらって、まるで私はお姫様のように変身した。

『変じゃないよね……大丈夫だよね、、』

服似合うように、いつもより少し明るめのメイクをして、綺麗に完成した。

いつ出るのだろうか、、なんて部屋で考えていたら扉を叩かれた。

「Aちゃん？いる？」

『は、はい、、、！』

少し声が裏返ってしまった。

それだけ緊張している、ということなのだろうか。

「入るよ、、」

そう声をかけられ、扉を開けるとそこにはいつもよりカッチリとしている蘭さんが立っていた。

『お、お疲れ様です、。』

じっと見つめられ、それが恥ずかしくて、何とか切り抜けたくて声をかける。

「可愛い。」

ぼっと、顔が熱くなった。

「また赤くなった、可愛いよ。」

1歩近ずかれて、離れたくても離れられなくて、

ずっと目が合っている。

『…ら、蘭さん、、』

「こんなんで赤くなってたら、先が思いやられるね。」

そう優しく笑いかけられ、手を引かれた。

「じゃあ、行こっか。」

『…はい。』

連れて行ってくれた場所は六本木にあるお寿司屋さんだった。

お寿司食べるなんて、何年ぶりだろうか。

梵天に入った初期の頃、1度だけ幹部全員揃った時があった、その時みんなでお寿司を食べに行ったことがある。

あの時は、緊張のあまり食べられなくて、ずっと隅でじっとしていた。

懐かしいなぁ、、なんて思っていたら、1番後ろのVIPのような席に通された。

「板前さん、久しぶり。」

「おぉ、蘭さんじゃねぇか、久しぶりだなぁ。お隣の美人さんは連れかい？｣

「まぁね。」

“美人さん”と言われ、少し恥ずかしかった。

どうやらここのお寿司屋さんはずっと通っている場所のようで、蘭さんと竜胆さん行きつけのお寿司屋さんらしい。

「いやぁ、最初来た時は異様な雰囲気で正直怖かったけど、喋りやすいし、寿司のことをちゃんと分かってるからな、歓迎してるよ。」

と、板前さんは言っていた。