君に似合う花 (ページ22)

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コンコンコンと3回扉をノックされた。

これは蘭さんのくせ。

竜胆さんやココさん、鶴蝶さんは2回ノックする。

三途さんは１回蹴りを入れるかノック無しで入ってくる。

蘭さんだけは何故か3回ノックしてくる。

鍵閉めてるから入ってこられることはないと思うけど、、

来ないで欲しかった、、

「ねぇ、、Aちゃん？？？」

いやああ、あ、名前呼ばないでよォ、、、

「なんか凄い可愛いこと言って逃げちゃったけどさぁ？お説教終わってないよ？、」

…………なんだ、何も気にされてない、

あぁ、あれかな、お母さんとかに怒られてる時とかに

【○○ちゃんのところはいいのに！！】

って言ったようなものなのかもしれない。

『…………いないです』

「んー。いるよねぇー。」

『口が滑ったんです、すみません、だから、命だけはお許しください。』

「え、何俺Aちゃんの中ですごい悪党になってたりする？そんなに人バンバン殺らないよ？？？」

蘭さんの声は扉越しだからか、優しくて。普段の声より少しだけ丸くて、

今すぐ扉を開けて、抱きしめてもらいたかった。

「んー。開けてくれないなら、他の子のところ行くよ？」

いやだ、そう私には答えられない。

だってそう答える資格がないから、

私はただの駒。

だから自我を出しちゃいけない。

そうだよ私。

いつから勘違いしてたの、

私はただの駒だよ。

暇潰しにもならないよ。

だから、いい。

『……どうぞ。。他のところへ行ってください、』

声は少し震えていたと思う。

今にも泣きそうだけど、

私はいい。

私は駒だ。

『帰ってこられるときには、お仕事。終わらせておくので、楽しんでください。』

だから、私は自我を出さない。