F5-3 ページ3
・
そこに辿り付いた時には外は真っ暗
メーターの示す料金が思ったよりも高くて
そこは意外と遠かったのだと認識する
「こんなんあいつの名前で領収書切ればええねん」
なんて言った永瀬くんとタクシーを降りる
ザーという波の音はいつもと同じ
「紫耀、こんなとこくるんや」
「考え事はもっぱらここらしいよ」
「さすが彼女」
永瀬くんと海沿いをとぼとぼ歩く
・
「最初からAさんに相談しとけばよかった」
「え？」
「そしたらもっと早くここにこれた」
「でも永瀬くんは私のこと思って黙っててくれたんでしょ？」
「でも、」
「それにまだここにいるって決まってないよ？」
「いや、きっといる。どうせあいつ見つかるならAさんがいい、とか考えてそうやもん」
街灯もあまりないこの辺りでは
ここまで日が暮れるとあまり遠くまで見渡せない
闇の中を黙々と歩いていて
・
「「あ」」
私と永瀬くんは
同時にそう呟いて足を止めた
思わず見合わせたその表情は
きっと二人とも同じことを考えていたのだろう
どちらからともなく
私たちは走り出した
・
こんな町外れの誰もいない海
特別な日でもなんでもない今日のこの日に
あんなところにテントが張ってあって
私も永瀬くんも
そんな突拍子もないこと考えるような人間を
一人しか知らなかったから
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京本ゆい(プロフ) - きらさんの作品はどれも、全部見返したくなる作品ばかりで新作が出来るまで、また全部見返そうと思います！ タイトルの意味が最後の最後で分かり、こういう事だっのか！って興奮してしまいました笑 無理しない程度に頑張ってください！ (2020年5月29日 0時) (
レス) id: fb3f28583b (このIDを非表示/違反報告)
こぐま(プロフ) - えーーー！びっくりしました！！まさかの結末！！作者さんがあとがきで話してらっしゃる小説も大好きなので、個人的にめっちゃ嬉しかったです！笑笑 Black&Whiteも好きだったんですけど、この作品が1番好きな作品になりました^ - ^ 次の作品も楽しみにしてます！ (2020年5月28日 23時) (レス) id: 0a8e78817c (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - しゅうさん» ちゃんと期待を裏切れるか心配だったのでビックリしていただけたなら願ったり叶ったり(*´∀｀*) (2020年5月28日 22時) (レス) id: 77f8d2d63c (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - しおりさん» 長々とかかりましたもんね(^^;お付き合い頂きありがとうございます！ (2020年5月28日 22時) (レス) id: 77f8d2d63c (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - takashoさん» ありがとうございます！ (2020年5月28日 22時) (レス) id: 77f8d2d63c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きら
| 作成日時：2020年5月27日 20時
