東隊VS斉藤隊 ページ29
東side
いきなり渡辺から模擬戦しようと言われて驚いたが、こいつらの成長するいい機会だしつい受け入れてしまったな。さて、どう相手するか。
二宮「あいつらは全員攻撃手。俺や加古が中距離からの攻撃でどうにかなるだろう」
加古「それだと面白みがないわ」
二宮「ふんっ、そんなもの必要ない。そもそも、斉藤や渡辺はともかく、辻や三雲は入隊してほんの数週間。俺らに敵うはずもないだろう」
加古「まぁ、それもそうね」
あぁ。この2人にはまだ、辻や三雲のランク戦を見せてなかったな。丁度いい、見てもらったほうが良さそうだ。
東「月見。数日前の辻と三雲のランク戦、みんなに見せてくれ」
月見「わかりました」
一番最初に見た時から、随分いい動きになってる。これで、まだ師をつけていないところが凄いな。
三輪「月見さん、三雲の入隊試験の筆記の方の記録も見せて貰えますか?」
月見「三雲くんの筆記の結果?いいわよ、少し待ってね」
三輪「お願いします」
秀次、何を考えているんだ?
加古「何?この三雲くんって子の筆記の結果?
どうして気になるの?」
二宮「そうだ。こんな小学生相手、楽に勝てるだろう」
三輪「実は、三雲の方が斉藤よりも頭がキレると感じるんです」
加古「え、Aちゃんより?それはないでしょ」
斉藤よりも、か。俺は斉藤を弟子としてよく面倒を見てるけど、あいつはかなり頭がキレる方だ。それこそ、こういう作戦を立てるのに一番向いていると思うが。
二宮「なぜ、そう思った」
三輪「実は、一度ランク戦をしたんです。その時の三雲は、まるで斉藤と戦ってるような違和感がありました」
あぁ。斉藤の場合、観察眼が鋭いからな。あの目で見られると、なんだか戦いにくい。血のつながりがあるとはいえ、三雲もあいつと同じにのか?
三輪「なので、斉藤と同等か、それ以上の観察眼はあると思います。あと、頭の柔らかさです」
二宮「頭?」
三輪「はい。彼の発想は普通じゃ思い付かないようなものです。その戦術を立てる力は、確実に渡辺よりもセンスはあるかと」
渡辺よりもか。渡辺も、頭がキレる。それゆえに、戦術に関しては、俺も勝てないと思う時はある。チェスとか将棋、ああいうのは勝てない。絶対、あいつの掌で踊らされるんだよな。
月見「三輪くん、これがデータよ。けど、いくら三雲くんが考えたとしても、こんなものじゃ対策は作れないわ。どうするの?」
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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2022年10月16日 1時