結成 ページ16
主side
雫「俺に力を貸して欲しいんだ」
どうしよう。本当にこの人が同じく転生した人かもわからないなか、隊を組んでいいのかな？
雫「まぁ、迷うよね。急に言われても」
A「まぁ、多少は、、、」
多少どころか、かなりだけど。
雫「気長にまつさ。返事は、そうだな。
1年。1年待つよ」
え、そんなに！？
A「それって、待ちすぎじゃ」
雫「正直、俺は君だけで隊員は十分だ。けど、上に行くにはそれは難しいだろう？それなら、君が隊を組みたいと思ったときに、俺をオペレーターとして選んでくれるだけでいい。悪い話ではないだろ？」
悪い話ではない。けど逆に、私からしたら此方にしか利益がない。そんな、アンバランスな条件で彼はいいのだろうか？
A「それだと、貴方は」
雫「俺の心配かよ。お前、お人好しだな。俺は大丈夫。オペレーターになれなければ、エンジニアにでも転向するから。元々、機械いじりが好きだしな」
A「そう、ですか」
もし、私が隊を組んでしまったら、未来が、原作が変わるかもしれない。これ以上、変えていいのかな。
雫「お前は、隊長に向いてるよ」
A「えっ？何ですか、急に」
急にびっくりした。
雫「だから、隊長にお前が向いてるって話。なんていうか、君の性格や態度は安心する。安定感があると言った方がいいかな。まぁ、君と隊を組みたいと思う人は多くなるよ」
不思議。この人に、初めて会ったのに。言われた言葉１つ１つが信用できる。というか、言葉の重みが他の人と違う。信じてみてもいいのかな。
A「私、決めました。先輩と隊を組みます」
さっき三輪先輩に言ったじゃないか。実践あるのみ。やる前から、弱気になるな。私がそうすべきと思ったことは、必ずやり遂げてみせる！
雫「いいのか？」
A「先輩から言い出したことでしょう？私、本気ですよ」
雫「そうか。ありがとう、斉藤さん」
彼も転生したことが本当なら、これほど心強いことはない。大切な人や市民を守るためにも、戦える手段を出来るだけ多くしたいしね。
雫「まぁ、改めて宜しく頼むよ。俺のことは出来るだけ名前で呼んで欲しいかな」
A「わかりました。私も名前でいいですよ。
こちらこそ、宜しくお願いします」
こうして、斉藤隊の前身となる旧斉藤隊は結成された。この1年後、隊員が増えるなんて、誰が予想できたのだろうか。
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作者名：犬塚みかこ | 作成日時：2022年10月16日 1時
