君はもう俺の側にいてくれない 5 ページ24
Aside
────
新しい旦那さんと正式に婚約して3ヶ月が経った。
新しい屋敷での仕事や人間関係にも慣れ、イルミ様の事を考える時間も徐々に少なくなっていた。
いや、無理矢理でも考えないようにした。
考えるだけ辛くなるのは自分だから。
旦那さんが用意してくれた素敵な部屋。
机に座ってプリント整理をしていた。
｢Aさん、お手紙が来ていますよ。はい、これ｣
『わざわざありがとうございます。』
私宛に手紙。裏を見ても送り主についての記載は無かった。
封を開け手紙を開く。
《 あなたは人魚姫という話を聞いたことはありますか？たった1人の男のために自分の声を犠牲にする女の話です。結局その女は結ばれず泡となってしまいましたとさ。もしもの話です。ココロから愛する人がいて、いつもそばにいたにも関わらず、“あなたのためだから”という理由で恋心を捨て偽りの愛を築くという話があったとして。あなたはどう思いますか？俺には理解がしがたい。本当に愛しているのなら、手放したくないはずだ。“あなたのためだから”という自分勝手な理由で捨てられた気持ちにもなって欲しい。最愛の人がいなくなった今、俺は何を求め何を願えばいいの？
ねぇお願い。俺の側に居て。迎えに来てって言ってよ。まだ、愛してくれるのなら。》
｢あなたって人は… ダメじゃないですか。捨てられたなんて… 私が悪いみたいじゃないですか。あなたの為を思って下した決断なのに。｣
よく見ると手紙の文字はところどころうっすら滲んでいた。
｢本当に、馬鹿なご主人様です。無垢で自分の意見を貫き通して。何考えてるのかと思ったら他人に情を働かせるなんて…｣
本当に最初で最後の、わがまま言ってもいいですか？
｢イルミ様… 迎えに来てださい。また、あなたの隣を、あなたの側に居てもいいですか？｣
窓から見える満月を眺めて呟く。
『…！』
音もなく割れたガラス。
黒光りする長い髪を風になびかせるその姿。
いつぞやに見た愛する人。
｢やぁ。迎えに来たよ。お姫様。｣
流れ作業のように、片足を立てて跪く。
『イルミ様…』
｢呼び出すの遅いよ。手紙出さないと、名前すら呼んでくれないなんてね。俺、嫌われたのかと思ったよ｣
｢でも、俺を呼んでくれたってことはまだ愛してくれてるんだね？｣
当たり前です。あなたじゃないと
『あなたじゃないと、ダメなんですよ。』
───
続きます
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柑菜向/超低浮上(プロフ) - 初コメントのリクエストです！ ヒソカと仲良く話してるのを見て嫉妬してるイルミが見てみたいです！ (2018年12月21日 5時) (
レス) id: 6d805a2090 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夢主が突然イルミにさらわれて、最初は声も出せないぐらい怯えていたけど徐々にイルミに心を開いていって最終的には両想いになるシチュエーションが見たいです (2018年7月18日 9時) (レス) id: 6218b45d75 (このIDを非表示/違反報告)
ネフェルティティ(プロフ) - リクエスト、です！ イルミが毒の実験でズタボロになっているのを見て夢主が大泣きするけど、目が覚めたイルミに抱き締められて泣き止むってのが見たいです！ (2018年7月18日 6時) (レス) id: 7981efbc68 (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - 初めまして！リクエストです！イルミが倒れて夢主ちゃんが焦るシチュエーションが見たいです＼(^o^)／ (2018年7月18日 6時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
ワルプルギスのめぐ(プロフ) - 赤猫さん» はじめまして^^ コメントありがとうございます。んんっいいですね！今夜更新します(^^ リクエストありがとうございました。 (2018年7月17日 22時) (レス) id: 30da3a103e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワルプルギスのめぐ | 作成日時：2018年5月31日 21時
