episode.2 私の夢 ページ8
飛び越えた先にいたのは海軍元帥。
そして、懐かしのガープの顔だった。
高く上を見上げた私の視線の先には処刑台の上で膝を着いている彼がいた。彼こそがポートガス・D・エースなのだろう。ロジャーの息子。私にとって何より尊い業火の如き炎。
「行かせるか!!」
「ルベウスを止めろ!!」
「刺し違えても殺せ!!」
貴「無謀に攻めるのは感心しないわよ。」
そう言って海兵を殺さずに気絶させていく。
早くエースの元へ行きたい。そんな私の思いとは裏腹に、私の身体が突然言う事をきかなくなった。いや、"誰かに操られているようだ"と言った方が正しいかもしれない。
私の足がそれより先に進めなくなった。
ﾏﾙｺ「Aさん!!どうしたんだよい!!」
貴「私はこれより先には進めないだから先に行け!!」
マルコは私の声色から何かを察したようだった。
彼は「分かったよい!!」と言って処刑台の方へと飛んで行った。本当に腹が立つ。そう思いながら私は巨人族の"オーズ"と呼ばれるものの方へと走り出した。
そのとき、彼に向かって数多の砲弾が振り注ごうとした。
貴「ロジャー…貴方の技借りるわよ。」
私は氷になった地面を蹴り、全力でオーズの前に出た。
オーズがニューゲートのコーティング船をこちらに引き上げようとしている。私はその邪魔なんてさせるつもりは無い。それに、私が来る前に随分攻撃を受けたようだった。
私の射程圏内まで迫った砲弾にその技を放った。
貴「"
本来なら、ロジャーのように射程圏内なんぞ気にせずに放てる技だが、体格的にも私はロジャーに大きく劣る。だから、なるべく近くで精度の高い状態で放つ。
神避は見事に砲弾に命中し、ニューゲートの船が陸に引き上げられた。そして、ニューゲートが再び広場に降りた。
ﾆｭｰｹﾞｰﾄ「A、後ろに下がってろ。」
貴「貴方の船から武器貰うわね。」
ﾆｭｰｹﾞｰﾄ「この際だ、好きなの持っていけ」
貴「そうさせてもらうわ」
私はそう言って、彼の船を物色していた。
外では随分弱い気配が先導しているようだった。そう思っていた時だった、強力な覇王色の素質を感じた。それはロジャーと初めてあった時、全身が雷で撃たれたような衝撃と似ていた。
私は急いで外に出た。
そこには気絶している海兵や海賊団、処刑人が目に映った。
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作者名：楸 | 作成日時：2022年10月5日 20時
