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そしてこの戦場にいる全ての視線が私の方へと向いた。
この高揚感をロジャーにも伝えたい。
あの時のように世界の全てを敵に回したみたいだ。
私が覚醒して自分の故郷"カルディア"を滅ぼした時。
あの時、ロジャーの言葉が私を救ってくれた。
『ロジャー、お願い。私を……殺して。』
助けてもらったにも関わらずそんな事を言ったのを覚えてる。海賊になる前だった。だから、なんの罪もない人々を殺してしまった自分が許せなかった。
自分に憎悪を向けたのは生まれて初めてだった。
『死ぬ事だけが罪を償う事じゃねぇ、お前は＿＿＿。』
あの言葉がどれだけ嬉しかっただろう。どれだけ私の救いになったか。今でも思う、私は彼と一緒に海に出て海賊団を出来て、世界を見れて本当に幸せだった。
だから私を見る人々の目が怖いなんて思わない。
「歪みの一族、唯一の覚醒者」
「元ロジャー海賊団音楽家 ルベウス・A…」
「はぐれ者の一族がなんでこんなところに…!!」
貴「あら、私も随分有名になったのね。」
私を見て固まった連中を見て思わずそう言った。
騒ぎ始める、海兵や海賊たち。私は"歪みの一族"だとか"はぐれ者の一族"だとかその呼び方は好きじゃないのよ。私はロジャー海賊団"音楽家"。何をするにも楽しくいこう。
だが、そんな腰の抜けた連中ばかりでは無いらしい。
私目掛けてだいぶ骨がありそうな気配が飛んできた。
貴「大将が出張ってくるとはね。」
ﾎﾞﾙｻﾘｰﾉ「婆さんが出る幕じゃないんでねぇ。」
ｸｻﾞﾝ「引っ込んでてもらおうか」
武装色と覇王色を同時に纏って受け止めた。この程度ならこのボロ剣で十分だろう。壊れはしないものの徐々にヒビが入っていくのが分かった。
だが、こんな奴らに庇ってる暇はない。
そう思っていたら、ニューゲートが広場に降り立った。不味い、そう思った私はすぐに地上から離れ空中へと飛んだ。ニューゲートはグラグラの能力で大きく地面を揺らし、海軍本部を傾けた。
貴「やるなら先言いなさいよニューゲート!!」
ﾆｭｰｹﾞｰﾄ「時間がねぇ、急かすぞA!!」
貴「もう勝手なんだから、分かったわよ！」
何の前触れもなくそれをされた私は少し腹を立てながらも、私は陸に着地した。少しくらい合図をして欲しいものだ。そんなことを思いながら私は一人包囲壁を飛び越えた。
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作者名：楸 | 作成日時：2022年10月5日 20時
