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たとえ、Aさんみたいになれなくても。
みんなを助けないと。
そうじゃないと、私は絶対に後悔する。
これ以上後悔なんてしたくない。
だから、ありがとうAさん。
最後にシャンクス達に会わせてくれて。
ﾓﾝｽﾀｰ「ウキッ」
ウタ「……ありがと」
そう言って笑う私の頬には涙がそっとこぼれていた。モンスターが映像でんでん虫を置いてくれたのを見て私は歌い始めた。どこまでも届くように、貴方が私の夢から覚めるように。
霞んでいく意識の中、みんなを助けたいとそう願いながら。
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貴方side
貴「あぁ、やっぱり
ウタがネズキノコの解毒剤を捨て歌い始めた時に、私は自分の運命を悟った。いや、もう随分前から分かっていた事だった。
私の夢は叶わなくても、きっと貴女が叶えてくれるのね。
ウタ「私が消え去っても 歌は響き続ける」
大丈夫よ、消えはしないわ。
私の曲が世界に広まっていたように、貴女の歌は世界中に響き続ける。そして、貴女が今ここで死ぬ事は決してない。それが私が開放される"条件"だった。
歌い終えた彼女のそばに私はそっと降り立った。
私に気づいた彼女はポロポロと涙を流していた。
ウタ「A……さんﾞ……ありがと…私……」
そういう彼女の頭を私はそっと撫でた。
彼女の涙をそっと拭いながら彼女を見て笑った。
貴「いいのよ、よく頑張ったわ。」
夕日が彼女たちを照らしていた。
懐かしい、彼が救ってくれた日を思い出す。
こんな日に開放されるなんてきっと運命だ。
だから、あとは全部任せていこう。
私はもう役目を終えるから、次に託せばいい。
貴「ウタ、トットムジカが殺した人間と貴方は無関係よ。でも、貴女はきっと責任を感じるでしょ、だから、勘違いしないで。死ぬ事が償いだと思わないで。生きて償うの。」
ｼｬﾝｸｽ「……Aさん」
シャンクスは何かを悟ったように私の手を握った。
けれど、私が頑固なのを知っている彼は私からそっと手を離した。これが"運命"なのだ。やっと私の番が来た。ありがとう、ウタ。あなたのおかげで音楽の喜びをまた思い出せた。最後に素敵な歌を聞かせてくれてありがとう。
やっとこれで、私もロジャーの元に行けるのわ。
ただ、心残りは次の"時代"が見れない事だけね。
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作者名：楸 | 作成日時：2022年10月5日 20時
