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そして彼女の最初で最後のライブは始まろうとしていた。
彼女の歌声は世界を席巻していく。
この世界の中心が彼女になってしまったように。
彼女の望む世界が近づいてくる。
ここ数年で世界中が彼女の歌声に魅了された。
彼女が行った事を全て見る、私はただの傍観者だ。
「ウタ、貴方の未来は私の夢なの。」
だから信じてるわよ、シャンクス。
貴「息子に遅れをとる母親なんて合わせる顔が無くなるわ。グー君、行くわよ。スピードを上げてちょうだい。」
私はただ早く彼女の元へ行くことを考えていた。
徐々に黒い雲に囲まれ、エレジアへと近づいて行った。その航海の途中に、見慣れた船を見かけたもので、私は自分の船からその船へと飛び移った。
鼓動が早くなる、これが運命だと分かる。
ｼｬﾝｸｽ「Aさん！」
私はそう言って抱きついてこようとしたシャンクスを武装色で硬化した拳で思いっきり殴り飛ばし、船室の方へ吹き飛ばした。
周りを見れば、船員たちは皆、ウタの映像の周りに集まっていた。
貴「話はあとよ、早くなさい。ウタを助けるわよ。」
ｼｬﾝｸｽ「ばい……ずびまﾞせんﾞ…」
私はシャンクス達にそう言うとグーくんにも船を引かせた。ついでに、ニューゲート達にも連絡を取り、こちらに向かうよう頼もうと思ったのだが、こちらに着くまでかなりの距離があるらしく難しいようだ。
仕方ないと少しため息を着きながら、私はエレジアに着くのを待った。
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ウタ side
みんなの映像を見ながら、私はネズキノコを食べた。
みんなと一緒に生きていたかった。
でも、私の手はあまりにも汚れてるから。
Aさんみたいな音楽家に私もなりたかった。
私はもう進むしかない。
ごめんね、Aさん。
約束守れなくて。
私がみんなの為に"新時代"を創らないと。
みんなの為に、歌わないと。
もう辛い事なんてなくしてあげるから。
シャンクス、みんな、ごめんね。
あの時ちゃんと信じられなくて。
家族だったのに、大切な仲間だったのに。
みんなは私の為に笑ってくれたんだよね。
でも、ごめん。もう後戻りはできないから。
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作者名：楸 | 作成日時：2022年10月5日 20時
