ロジャー海賊団の音楽家 (ページ19)

今日:21 hit、昨日:18 hit、合計:113,558 hit

episode.5　赤髪海賊団ページ19

なんやかんやあり、私はしばらくの間シャンクスの船でお世話になることになった。

半分以上はシャンクスが駄々をこねたから事が原因だけど。

けれど、ウタという少女が彼らをどんなふうに思っていたのか。彼らに対してどんな想いで曲を書いた少し知りたくなったのもあった。

・

数分前のこと＿＿＿＿

『え、Aさんもう行くのかよ？！』

『朝からうるさいわよ、頭痛っ…』

『朝っつうよりもう昼だけどな。』

鼻の長いのがそう言ってるが無視無視。二日酔いが凄まじい。若い身体で飲んだのになんでこんなに二日酔いがくるのよ。そんなことを思ってたら、シャンクスが床に寝転がって駄々をこねだした。

全く何歳なのよ、このでかい赤ん坊は。

『いやだ！オレはAさんともっと酒を飲みてぇ!!』

『はぁ、分かったわよ。分かったから。船医さん探してきてちょうだい。』

『ほんとか？！わかった！ベック、Aさん逃がすなよ！』

・

という事があり、現在はシャンクス待ちでタバコを隣で嗜んでるこの男と2人の状態だ。なんとなくだけど、この男には近づいてはいけない気がする。

視界の隅で鼻が長いのがチラチラこっちを見てくるのが見えた。

貴「鼻が長いの、何か用。」

私がそう言うと、鼻が長いのはキョロキョロと周りを見渡すと私の方を再び見て顔を傾げていた。だから私は彼の方を指さしてもう一度言った。

貴「あなたよ、長鼻の。」

私がそう言うと、隣にいたコックさんと2人で顔を見合せてからコソコソと私に背を向け話し始めた。チラチラとコチラの様子を伺ってくるのがまた腹が立つ。

何故だろうか、昔のシャンクスとバギーを思い出した。

ルウ「ヤソップ…お前また長鼻って言われてんぞ。」

ﾔｿｯﾌﾟ「やっぱりオレだよな。」

ルウ「それにしてもあの寝起きの悪さはお頭そっくりだな。」

ﾔｿｯﾌﾟ「だな！オレもそれ思った。」

なんてゲラゲラクスクス笑っているが、丸聞こえである。それは隣にいるこの男も同じだったようで、2人の方へと歩いていった。

すると、二人の頭に拳を落とした。

ルウ「痛ってぇ！」

ﾔｿｯﾌﾟ「何すんだよベック！」

ﾍﾞｯｸ「お頭の客人に失礼なマネすんなよ、お前ら。」

そういう彼がこの船の服船長なのだろう。つまりレイリーと同じって意味。まさか、この人も女誑しだったりするのかしら。そう思うと、苦い思い出が頭を過ぎった。