ロジャー海賊団の音楽家 (ページ14)

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episode.3　赤髪海賊団の音楽家ページ14

少し見てない間にすごく人が増えた気がする。てか、なんで猿が船に…。

そんなことを思っていた私には一つだけ違和感があった。色んな人を見たけど、なぜかこの船には"音楽家"だけが見えない。

貴「ねぇ、船医さん。この船に"音楽家"はいないの？」

私がそう言うと船医さんは一瞬手を止めた。

そして、ドアの方にいた人達からもなにか良くない気が流れてきた。言ってはいけなかったのだろう。本当は先に記憶に干渉して見ておくのも悪くないと思ったけど、プライバシーに考慮した。これがその結果だった。

ﾎﾝｺﾞｳ「それは…」

船医さんが何が言おうとした時だった、シャンクスが医務室に入ってきて話は途切れた。いや、聞かない方がいいなら、無理に聞こうなんて思わない。これが年寄りにできる最大限の気遣いだった。

ｼｬﾝｸｽ「なに騒いでたんだよお前ら。」

ﾎﾝｺﾞｳ「お頭…」

少し気まづい空気だった。船医さんは分かりやすく顔を暗くしていた。私は話を逸らすようにシャンクスに話しかけた。

貴「シャンクスの小さい頃の話をしてたのよ。」

ｼｬﾝｸｽ「うそだろ…それだけは勘弁してくれAさん!!」

わたしがそう言って笑っていうとシャンクスは頭を抱えてそう言っていた。その様子を見ていたみんなが、笑っていた。仲間を失うのは怖いけれど、それでも少し羨ましく思った。

貴「ところで、シャンクスその腕はどうしたの？」

私がシャンクスの腕を指差して言うとシャンクスは思い出したように嬉しそうに私に近づいてきていった。その姿がロジャーに似ていて怖かった。

ｼｬﾝｸｽ「それだ！聞いてくれよAさん！」

貴「わ、分かったから落ち着きなさい。」

宝の島を見つけたの時のロジャーのように今にも飛び出しそうなほど楽しそうだった。やはり変わらないものは嬉しいと私は思ってしまった。

それが必ずしも"救い"にはならないと知っていながらも。

ｼｬﾝｸｽ「東の海(ｲｰｽﾄﾌﾞﾙｰ)にロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ。船長のあの夢を＿＿＿。」

貴「それってもしかして、あの麦わらの少年の事？」

ｼｬﾝｸｽ「Aさん、ルフィに会ったのか？！」

船長に似ていたあの少年はルフィと言うらしい。私の方が先に面白そうなのを見つけたと思ったので、大人気なく少し悔しく思った。