ロジャー海賊団の音楽家 (ページ13)

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あぁ、こんなにも面白い事があるか。
目の前で白目を向きながら倒れかけてる。

ギャバンみたいに胃に穴が開かないといいんだけど。

ﾎﾝｺﾞｳ「お、お頭の…か、母ちゃん…」

貴「ふふっ、実の母親じゃないわよ。ロジャー海賊団にいた女が私だけだったから必然的に私が面倒見てたってだけ。」

ﾎﾝｺﾞｳ「な、なるほど……ってロジャー海賊団?!」

あら、シャンクスのやつまるで自分の事を話してないのね。隠したがりはロジャー譲りかしら。私やギャバンは聞かれたら話すタイプだったし、もしかしたら聞かれなかったのかしら。

まぁ、私がペラペラ話す事でもないわよね。

貴「私はロジャー海賊団音楽家ルベウス・A。夢は"世界一の音楽家"になる事。よろしくね、船医のホンゴウさん。」

ﾎﾝｺﾞｳ「すげぇ、本物のルベウスだ…。」

なんだか、すごくキラキラとした目で見られる。けど、早く治療して欲しい。じゃないと本気で手の感覚がなくなってきて青白くなってきてる。これじゃ、ピアノが弾けなくなりそう。

そしたら、音楽家としても終わりね。それだけは避けたいけど。

貴「船医さん、私の手を見てくれるんじゃなかったの？」

ﾎﾝｺﾞｳ「ぁ、ぁああああ！！早くこっちに！今お湯持ってくるからちょっと待っててくれ！」

貴「走ったら危ないわよ〜」

と思ったら彼は1分もせずに帰ってきた。

そして、何故かお友達を沢山連れてきた。えっーと、金髪ロン毛くんに、さっきのタバコを吸ってた人、ふくよかでお肉を食べてる人…鼻の長いの。個性豊かね。うちも結構種族様々だったけど、この船は別の意味で個性豊かだ。

ﾎﾝｺﾞｳ「とりあえず、これで手を温めててくれ。」

貴「分かったわ、ありがとう船医さん。」

私がお湯に手を入れてるのを、何故か大勢の人がドアから見ていた。何がそんなに興味深いのか私には全く分からない。

けど、わかる事が一つだけある。

貴「仲良しね、この船の人たち。」

ﾎﾝｺﾞｳ「あぁ、気にしないでくれ。俺が騒いでみんな集まってきちまって…お頭の親っつうからみんな興味津々なんだ。」

そういう船医さんは申し訳なさそうに眉毛を下げて笑っていた。

クロッカスとはだいぶ違うのね、あの人むしろ開き直ってる節があったから。でも、さすが船医さんだ。すぐに私の腕を適切に処置してくれた。

私は船医さんにお礼を言ってチラリとドアの方を見た。