78 朝の日常 ページ6
菜々子・美々子 side
Aさんは朝が苦手だ。
それはAさんが特級だから。遅くまで任務を頑張ってるから。本来なら、夏油様が受けるはずだった任務をAさんは全部一人でこなしてる。
菜々子「Aさぁーん、起きて!!」
いつものように私たちは身支度を整えて、Aさんの部屋のカーテンを開けた。それからAさんの布団を剥いだ。
寒そうなAさんに毛布を被せて抱き上げた。
私たちを助けてくれたあの日から全く時間を感じさせないこの姿。やっとAさんに恩返しが出来る。
美々子「朝ごはん出来てたよ、菜々子。」
菜々子「ナイス美々子!」
机に並べられた美味しそうな朝ごはん。
栄養が偏らないように毎日少しづつ料理を変えて出す。夏油様が教えてくれた、Aさんが好きな物。
私たちはAさんも夏油様も大好きだから。
貴「美々子、菜々子いつもありがとう。」
菜々子「Aさん、ここにお米ついてるよ」
Aさんについたお米を取ると美々子は羨ましそうに私を見てきた。
貴「ねぇ、なんで二人は私を助けてくれるの?」
Aさんは味噌汁を飲みながら不思議そうに私たちの方を見た。
綺麗な白髪、私たちより深く黒い目。
長いまつ毛、働きすぎでできたクマ。
困ってる人なら誰でも助けてしまうほど優しい人。
美々子「私たちはAさんが大好きだからだよ。」
菜々子「大好きだもんね。何よりも。」
Aさんは何かを察したように笑った。
何も言わなくてもきっと分かるんだろな。
道が違えてしまった二人。
私たちは、あの日。選択を迫られた。
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むさ苦しいくらい暑い梅雨の時期。
私たちはいつものように授業を受けていた。
それから任務に行って、高専に帰ってきた。
夏油「美々子、菜々子。」
菜々子「夏油様!」
美々子「菜々子走らないで」
大好きなあの声に私たちは振り返った。
私たちを助けてくれた私たちのもう一人の神様。
クソみたいな世界から外の世界を見せてくれた。
夏油「美々子、菜々子。私は
夏油様、寂しそうな顔してた。
きっと誰にも反対されなかったんでしょ。
Aさんが夏油様のする事に反対するわけないもん。
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ミア - 続きをください(T_T) (2月22日 12時) (レス) @page11 id: 45ebfef0dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年12月24日 0時