4. ガッテム ページ6
そして、中三の冬の事だった。
いつものように呪霊を祓っていた。それはもうド派手な祓い方をしていた。内側から破裂させるように呪力を操作するとあ〜ら不思議、風船みたいに吹き飛ぶ。
夏油くんもいないので、自由にぐちゃぐちゃし放題だ。
「雑魚ばっかだな。」
私が一人でそう言った時、後ろから低い男の声が聞こえた。
「随分な祓い方だな。」
その瞬間に気づいた、一番恐れていた瞬間だった。
真っ黒な服、真っ黒でイカついサングラス。
傍らに見える人形と、CV.黒田のこの人物。
間違いない、何度もアニメで見たガッテムおじさん。
貴「どうしたんですか?ここは危険ですよ。」
私は夏油くんのように笑ってそう言った。
正直、私は呪術高専の生徒にはなりたくない。面倒臭いし、関わってしまえば情も移る。だから、私は絶対に関わりたくなかった。けど、力を持てば使いたくなるのが人間だ。
私はそれを分かっていながらも、呪力を使っていた。
夜蛾「危険?今し方君が祓ったので全てだろう。」
貴「そうですね、ところで貴方誰ですか?」
夜蛾「私は"東京都立呪術高等専門学校"で教鞭を執っている、夜蛾正道だ。君は何の為にこんな事をしてるんだ?」
突然そんな事を聞かれて私は少し唖然とした。
私が今試されている事を私は知っていたからだ。あぁ、きっと答えてしまえば私はあの場所に行かなければならなくなるのだろう。そうなれば、私も人を殺して、人の死に立ち会う。
その苦痛に耐えれば、私は夏油くんを救えるだろうか。
貴「私の目の前で誰も死なせない。救える命を全て救える人間になる為だよ。この目には先が見えるからね。」
夜蛾「君は、君の目の前以外なら誰が死んでもいいのか。」
私の方を見ながら、高圧的な声でそう言った。
あー、クソ腹立つ嫌な言い方するよなこの人!!けど、そのくらい言わなきゃダメだよな。分かっててもムカムカするよ。まぁ、そんなに腹立つ事じゃないけど。頭使いたくないのにな。この人といるとカロリーの消費がすごいよ。
私もう3kgは痩せたと思う。
貴「だから私は世界中に目を置く、呪霊が発生しない世界を私が創ろうかなって思ってるとこですよ。」
私は九十九由基が言っていたような事を言ってみた。
けれど、私は正直そんな事どうだっていい。
夏油くんが生きる世界を実現したい、私はそれだけだ。
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楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年5月28日 0時