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48. 先輩だから ページ50

硝子がそう言った瞬間、激しい頭痛が私を襲った。

思わず椅子から床へ崩れ落ちた。
感じた事のない種類の痛み。











硝子「A!!」







硝子の声が聞こえる中、"存在しない"はずの記憶が私の頭を過ぎった。









やつれた夏油君と下半身のない灰原。










"産土神信仰"









一級案件の任務。









そして、村民を殺し道を(たが)えた同期の姿。














貴「硝子………私の任務、五条に回して。」










私は硝子に支えられながら起き上がりながら言った。

絶対に救わないといけない命だ。
灰原の"死"は夏油君の価値観の軸を揺るがす。
善人を救う彼は、善人の死に弱い。

転生者ってだけで責任重大だ。
慣れっ子だけどね、だって私は"大人"だから。











家入「起きて平気か?しばらく安静に…」

貴「大丈夫、じゃあ行ってくるね。」








私はそう言うと術式を使って灰原の元へ飛んだ。


灰原の呪力を辿って、灰原のいる所へ。
目が覚めてから初めて術式を使った。

存外、膨大な呪力は私の体に馴染んでいた。
この調子なら頤使(いし)古渡(こわたり)も問題なく使える。


けど、目の前の現状は地獄そのものだ。











貴「無事かー?七海、灰原。」








頭から血を流している後輩を順番に拾って私の元へと置いた。

呪霊さんは私の速さについて来れてないらしい。
それを見て私は瞬時に反転術式を二人に施した。
大きな怪我は治したから死ぬ事はないだろう。















灰原「弓削さん!?」




七海「何故、貴方が…」












私は彼らに背を向けて少しカッコつけて言った。













貴「嫌な予感がしてね、飛んできたよー。」








そう言いながら私はスっと術式を組んだ。

私の後輩を随分可愛がってくれたみたいだからね。
多少は痛めつけさせてくれないと気が済まない。

やられたらやり返す、倍々金コノヤロー。












貴「掣肘呪術(せいちゅつじゅじゅつ) 月冴・松葉」









小さく圧縮して呪力を放出、花火のように月が咲く。私が想像してた一番美しい術であり、最も苦痛が伴う"松葉"。

順転の月冴に反転の月冴をぶつけた。

そうすると圧出された質量と放出されようとする質量どうしが反発し合い、線香花火が大きな花火のように散る。











灰原「うわぁ!綺麗ですね!」

七海「……確かに、綺麗だ。」








そう言う後輩に私はいつものように笑った。

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(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月28日 0時

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