41. 呪力 ページ43
私に殴られた甚爾は唖然とした表情をしていた。
対して何もされてない夏油君を滅茶苦茶に私はナデナデしておいた。可愛すぎてもう、この子ほんと真っ直ぐでいい子。
甚爾「待て、対応の差おかしくね？」
夏油「助けてもらったからって図に乗るな。」
甚爾「さっきまで撫でられてた奴のセリフじゃねぇだろ。」
私も半分はそう思いながらも夏油君と甚爾を引き剥がした。
一触即発とはまさにこの事なのだろう。多分どんなに時間が経っても仲良くなれないんだろうし、本能なのかなんなのか。
そう思いながら私は甚爾に提案した。
貴「家族の所に帰れよ。」
甚爾「嫌だ。」
貴「ﾁｯ………まぁいいよ。私の部屋広いし。」
私がそう言うと夏油君はすごく嫌そうな顔をしていた。
夏油「Aちゃん、正気？」
貴「正気だし、大マジ。」
甚爾「じゃあ決まりだな、行こうぜ。」
貴「ちょ、待て。担ぐな。」
そう言いながらも私は高専に行こうと術式を使おうとした。
貴「は？」
だがいつまで経っても私の術式が発動する事はなかった。
ポタポタと垂れる鼻血を必死に押えた。
呪力量がいつもの十分の一程しかない。
これでは高専に帰る為の術式を使えない。
体内の呪力が徐々に減っていくのを感じた。
甚爾「A!!」
夏油「Aちゃん!!」
私を担いでいた甚爾は直ぐに私を降ろして横抱きにした。
人生で初めての横抱きお前かよ、なんて呑気な事を考えながらも私は必死に頭を回した。考えられる可能性は2つ。
1つ目、先を改変した際の"反動"。
2つ目、私の縛りになっていた原作が"なくなった"から。
3つ目、
1つ目は確実に原因の一つだと言える。
3つ目もいい線いってるけど、前例がないからなんとも。
だから考えるべきは2つ目についてだ。
私は前世と呪術廻戦の原作、先の未来を知っている。それを誰にも言わない代わりに私の呪力は底上げされていたのだとすれば、私の呪力が減ったのも説明がつく。
髪の色がまだ白いのを見るに、私の呪力は完全に失われている訳ではないのだろう。
夏油「大丈夫だよ、硝子を呼んだから。もうすぐ…」
貴「心配いらない、まだ大丈夫だから。」
そう言って歩き出そうとした時だった。
激しい首の痛みで私は気を失って
ぼやけていた視界はあっという間に暗転した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 788人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます！更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります！ (8月16日 0時) (
レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです！楽しませてもらいました！更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからも頑張ります！ (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです！！闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます！！ (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楸 | 作成日時：2023年5月28日 0時
