3. 不器用器用な夏油くん ページ5
それからというもの、夏油くんは少し私と距離を置くようになった。多分、これは避けられているのでは?
貴「ねぇ、夏油くん」
夏油「ごめん、ちょっと先生に呼ばれてて。」
というより明らかに避けられている。
全く不愉快極まりない。
そう思った私は教室にいた夏油くんの胸ぐら掴み屋上へと引っ張って行った。因みに、うちの学校の屋上の鍵は壊れているので、というか壊したので年中開きっぱなしだ。
屋上に着くと、私は夏油くんの胸ぐらから手を離した。
貴「夏油くん、私は大人だからいじめの一つや二つなんとも思わない。だから、避けるのだけはやめてよ。」
夏油くんの目を見て、私はハッキリとそう言った。
その私を見た夏油くんはいつもの様に笑っていた。
いや、寧ろいつもより笑顔と言ったところか。
どんなけ可愛いんだよ、養いたいわクソが。
夏油「そうだね、ごめんA。」
貴「分かればいい、じゃあ行くぞ。昼飯だ。」
夏油「え、今学校なんだけど…」
そういう夏油くんの手を引いてフェンスを飛び越えた。
それはもう青と夏が頭の中で響くレベルで駆け出した。
私は一切、術式を使わず夏油くんを信じた。
夏油「呪霊操術!!」
その瞬間に、夏油くんが出した呪霊に乗った。
びっくりしたような夏油くんの顔はイケメンだ。
なんでそんなご尊顔で生まれてきたのか両親に感謝。
心臓のバクバクがパネェことになってる。動悸の人は多分これ以上に心臓ドキドキしてんだろな。
夏油「Aちゃんといると心臓もたないよ。」
貴「少しは肩落としなよ真面目〜」
夏油「Aちゃんは不真面目すぎだけどね。」
貴「夏油くん、悪口って知ってる?」
夏油くんはそのまま笑顔でこちらを見ていた。その後、私たちはそのまま学校を抜け出してラーメンを食べに行った。
ちなみに、私は豚骨醤油を食べた。夏油くんは塩を頼んでいた。もう食べ終わりに差し掛かった時、私も塩を頼んでおけばよかったかな、なんて思いながら夏油くんが食べるのを見ていた。
夏油「そんなに見られたら食べづらいよ。」
貴「私も塩にしたら良かった」
夏油「一口食べる?」
貴「食べる、この皿に盛って。」
私がそう言うと夏油くんは、初めてからこうなるのを分かっていたように手馴れた手つきで皿に盛っていた。その時は、夏油くんのこういう所が術師に向いてないのかもなんて思った。
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楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年5月28日 0時