29. 倍々金だぜ ページ31
その後、十分程度話してるうちにすっかり打ち解けてしまった。
いや、話すの楽しかったんだよ。
この人ほんとに奥さん大好きだね。
めちゃめちゃ未亡人っぽくて初めは気まづかったけど今は全然気まづくない。さすがプロのヒモ。空気も操るとは。
貴「え、おっさんヒモだったの?ちょ〜ウケんじゃんwてか奥さんいたんだね意外!」
「お前そのおっさん呼びやめろよ。伏黒だ。伏黒甚爾。」
そういうおっさん…もとい伏黒甚爾。
奥さん亡くしてから時間経ってないっぽい。
しかも家にも全く帰ってないという。
ここで未来の伏黒恵を助ける意味でも動かねば。
オタクの名が廃るというものじゃないか。
貴「んじゃ、おっさんにこの馬券あげるよ。多分当たってるから。その金でガキにメシ食わしてやんなよ。」
甚爾「お前いくら賭けた?」
貴「手持ちの30万、勝てば5.6倍。」
つまり勝てば168万で返ってくる。
これが本当の
そうして伏黒甚爾はあの案件を受ける事はなくなる。
まさに一石二鳥の賭けに私は笑っていた。
甚爾「いいぜ、おもしれぇ。あんた、名前は?」
貴「私の名前は、また時が来たら言うよ。それまで私の顔忘れないでよ。」
甚爾「安心しろ、良い女の顔覚えるのは得意だ。」
そういうとおっさんも楽しそうに笑ってた。
高専の生徒と分かっていても警戒すらしない、いやするほどの相手じゃないと思ってるんだろう、だが残念。アンタの目の前にいるのは日本に二人しかいない"特級"のうちの一人。
そして将来、アンタの命の恩人になる女だよ。
貴「じゃあね、おっさん。」
そしてレースが始まると同時に私は高専に戻った。
・
突然現れた女と、俺に渡された馬券。
レースが始まると同時に女は消えた。
あんな面のいい女、久しぶりに見た。
高専の制服、呪術師の卵。
甚爾「おぉ、アイツすげぇな…」
馬券はアイツの賭けた通りの結果になった。
精算して返ってきた168万をポケットに入れた。
この金ならしばらく遊んで暮らせる。
だが、どうしてかそんな気は起こらなかった。
不思議と俺の足は家の方へと向いていた。
甚爾「チッ……はぁ、なんか美味いもん買って帰るか。」
俺の足は懐かしいアイツとの思い出の家へと向かっていた。家にいたのは成長した恵と仏壇に移るアイツの顔だった。
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楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年5月28日 0時